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平成22年第 4回 9月定例会−09月21日-03号

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  1. 広島市議会 2010-09-21
    平成22年第 4回 9月定例会−09月21日-03号


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    平成22年第 4回 9月定例会−09月21日-03号平成22年第 4回 9月定例会         平成22年    広島市議会定例会会議録(第3号)         第 4 回                  広島市議会議事日程                                    平成22年9月21日                                      午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)
     一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  八 軒 幹 夫            2番  大 野 耕 平    3番  三 宅 正 明            4番  碓 氷 芳 雄    5番  西 田   浩            6番  渡 辺 好 造    7番  馬 庭 恭 子            8番  豊 島 岩 白    9番  清 水 良 三            10番  森 本 真 治    11番  藤 井 敏 子            12番  今 田 良 治    13番  桑 田 恭 子            14番  原   裕 治    15番  米 津 欣 子            16番  星 谷 鉄 正    17番  安 達 千代美            18番  八 條 範 彦    19番  竹 田 康 律            20番  元 田 賢 治    21番  沖   洋 司            22番  松 坂 知 恒    23番  村 上 厚 子            24番  中 原 洋 美    25番  永 田 雅 紀            26番  増 井 克 志    27番  山 田 春 男            28番  橋 本 昭 彦    29番  平 木 典 道            30番  母 谷 龍 典    31番  谷 口   修            32番  宮 本 健 司    33番  沖 宗 正 明            34番  酒 入 忠 昭    35番  田 尾 健 一            36番  太 田 憲 二    37番  若 林 新 三            38番  中 森 辰 一    39番  熊 本 憲 三            40番  佐々木 壽 吉    41番  種 清 和 夫            42番  木 山 徳 和    43番  金 子 和 彦            44番  児 玉 光 禎    45番  碓 井 法 明            46番  平 野 博 昭    47番  月 村 俊 雄            48番  土 井 哲 男    49番  都志見 信 夫            50番  皆 川 恵 史    51番  中 本   弘            52番  木 島   丘    53番  柳 坪   進            54番  藤 田 博 之    55番  海 徳   貢 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────            職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    浜 中 典 明       事務局次長   松 村   司  議事課長    重 元 昭 則       議事課課長補佐主任事務取扱                                立 原   満  議事課主査   宮 田 武 雄       議事課主査   小 田 和 生  議事課主査   垣 井 英 孝       議事課主査   吉 川 和 幸  外関係職員 ───────────────────────────────────────               説明のため出席した者の職氏名  市長      秋 葉 忠 利       副市長     三 宅 吉 彦  副市長     米 神   健       副市長     豊 田 麻 子  企画総務局長  湯 浅 敏 郎       企画総務局ICTクロスセクション調整担当局長                                山 本 正 己  財政局長    岡 田 輝 彦       市民局長    佐 伯 克 彦  健康福祉局長  志 賀 賢 治       こども未来局長 磯 辺 省 三  環境局長    堀 内 雅 晴       環境局エネルギー温暖化対策担当局長                                藤 岡 賢 司  経済局長    棚 多 展 義       都市活性化局長 片 平   靖  都市整備局長  荒 本 徹 哉       都市整備局指導担当局長                                渋 谷 祐二郎  道路交通局長  高 井   巌       下水道局長   向 井 政 博  会計管理者   紙 本 義 則       消防局長    高 野 哲 司  水道局長    飛 原 秀 登       病院事業局事務局長                                中 田 英 樹  監査事務局長  三 村 義 雄       財政課長    古 川 智 之  教育長     濱 本 康 男       選挙管理委員会事務局長                                山 本 哲 生  人事委員会事務局長          藤 本   誠 ───────────────────────────────────────                 午前10時00分開議                 出席議員  46名                 欠席議員  9名 ○藤田博之 議長       おはようございます。出席議員46名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              会 議 録 署 名 者 の 指 名 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       本日の会議録署名者として               33番 沖 宗 正 明 議員               38番 中 森 辰 一 議員  を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────              日 程 に 入 る 旨 の 宣 告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       日程第1,前回に引き続き,一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  18番八條範彦議員。                〔18番八條範彦議員登壇〕(拍手) ◆18番(八條範彦議員) 皆さん,おはようございます。  市民市政クラブの八條でございます。機会を与えていただきましたので,一般質問をさせていただきます。  早速,質問に入りたいと思います。  まず,子育て支援についてお伺いをいたします。  まことに悲しいことですが,最近,児童虐待事件が多発しており,ことし上半期に全国で警察が摘発した件数は,統計をとり始めた2000年以降,最多の181件となっているそうです。  7月30日には,大阪市のマンションで3歳と1歳の幼児が長期間放置され死亡したという痛ましい事件が発生しました。逮捕された母親は,自分の時間が欲しくて育児から逃げ出したかった,と供述しているそうです。  児童虐待防止については,早期発見・早期対応について,児童相談所を初めとする行政,地域等,社会全体で取り組むべき課題であると考えますが,それ以前に,虐待をした親の生育歴,受けてきた教育内容などを通して,親としての資質が備わっているのかを問題視すべきだと考えます。また,犯した罪に対して相応の罰則が必要であると思われます。
     地域の子供たちを地域で育てる,という言葉は,実にきれいです。しかし,子育ての基本的な部分は家庭が担うのが基本であると考えます。  ある本に,子供は,3歳ぐらいまでは母親の輪── 目の届く範囲のことですけども,その輪からはなかなか抜け出せない,自然と親の手をつかみます,できることなら,この期間は家庭で育てていただきたい,と書かれていました。4歳ごろから,母親がそばにいなくても精神的関係が維持できる,そういった時期になり,母親の輪から抜け出すそうです。  考えてみますと,我が家でも,子供がそのころから1人で家を出るようになったと思います。子育てを経験された皆さんは,私以上に御承知のことと存じます。それぞれの家庭環境の違いはあるでしょうが,私は,3歳までの幼児にとって母親と一緒に過ごすことが何よりも大切なことだと考えています。  昨年の6月議会でも申し上げましたが,認可保育園の3歳未満児1人当たりにかかる経費は,保育料等を差し引いた後の市負担額,年間で約114万円となっています。これに対して,家庭で子育てをしている専業主婦家庭には公費はほとんど投入されていません。児童虐待に至る経緯はさまざまな原因が想定されますが,核家族化等の影響もあり,孤立化と育児不安が大きな要因となっているのではないでしょうか。  専業主婦家庭への子育て支援にもっと公費を投入し,子育て施策を充実させるとともに,これから親になる若者たち,子育て経験が浅い父母等を対象とした身近な子育て教室等の場があれば,かなりの家庭で適切な子育てが可能になると同時に,保育園に子供を預ける家庭が減少し,待機児童の解消にもつながると思います。本市での専業主婦家庭に対する子育て支援施策をどのように充実させておられるのかお答えください。  また,今後,当分の間は,保育園への入園希望児童はふえ続けると考えられますが,将来的には少子化が進行し,入園希望児童数も減少し,保育園施設が供給過多となる可能性があります。こうしたことから,新たな保育園の新設,増設には慎重に対応するとともに,現在,入園児童が減少してきている幼稚園の認定こども園化をこれまで以上に促進することが,保育園の待機児童を解消をする手段として適切であると考えますが,いかがでしょうか。  次に,教育についてお伺いいたします。  どことは言えませんが,ある書店で,青少年コミックのコーナーにこのような本が,だれにでも購入できるのかと思うような,性にかかわる本がありました。また,一部のコンビニでは,だれでもが目に入る場所に,青少年にはふさわしくない本を平気で置いてあります。そのようなことに対して,本市では規制できないのでしょうか。  また,本市では,電子メディアが青少年の健全な成長に与える影響が多大であることから,電子メディアに特化し,青少年の健全な成長に寄与することを目的として,「青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例」を平成20年3月に全国の自治体に先駆けて制定いたしました。  そこでお伺いいたします。  青少年と電子メディアとのかかわり方について,条例制定後どのような取り組みをされてきたのかお答えください。  さらに,昨今,家庭の教育力が弱くなっているとともに,地域社会の力も弱まり,地域で子供を育てる力が低下しているのではないかと感じられます。このような社会の中では,子育てを家庭だけに任せるのではなく,地域の大人が力を合わせて子供たちを健全に育てていかなければなりません。  そこで,現在,飲酒,喫煙,深夜徘回等の非行問題を繰り返す青少年に対して,地域の取り組みとしてどのようなことを実施されているのかお答えください。  次に,5月に海外視察でポーランドとスペインに行かせていただきました。いろいろといい勉強をさせていただきましたが,特にスペインでの学校教育の説明が印象に残っています。  あるとき,1人の子供に対して,あの子と手をつなぎたくないと,3人の子供たちがその子をはねにしていじめたそうです。その光景を見た先生は,すかさず担任の先生に連絡,担任の先生はすぐに校長先生に報告,校長先生は保護者出席の全校集会を開き,名前は出さないが,このたびのことを全員に説明して,子供たちの接し方について,かなりの時間をかけて徹底的に教育されたそうです。  差別やいじめに対して,かなり厳しく,徹底した教育をされるそうで,多くの移民の子供たちがいるからなのかどうかはわかりませんが,学校側の適切な対応と素早さに感心いたしました。  最近,ブログやメールでの陰湿ないじめがあるようです。携帯電話やパソコンで発信するわけですから,保護者や先生はもちろん,本人たちも遊び感覚で文字を打つだけですから,余り罪の意識がないようです。スペインのこうした取り組みは,罪の意識が低い子供たちも含め,いじめの解決に大変有効な取り組みだと思います。いじめは命にかかわる重大な問題であるだけに,徹底した取り組みが必要です。  そこでお尋ねいたします。  本市において,いじめはどのような状況でしょうか。また,いじめの問題に対し,どのように取り組まれているのかお答えください。  また,スペインの学校では,いじめの問題を速やかに保護者にオープンにし,解決に取り組んでおり,こうした取り組みはいじめの再発防止へ向けて大切だと思いますが,このことについても教育委員会のお考えをお聞かせください。  次に,教育の町広島の実現のために,提案と質問をさせていただきます。  本市が全国に誇れる教育の町を実現させるためには,本市で教育を受けたい,受けさせたいと思わせる教育環境の整備が必要不可欠です。  従来より,広島は単身赴任者が多いと言われており,その背景の一つには,教育問題があると私は思っています。地方分権が叫ばれている今日,教育分野において,国に頼らない広島市独自の思い切った発想と大胆な政策が求められているのではないでしょうか。特に,昨今の厳しい経済状況を考えますと,いかに保護者の教育費に対する負担軽減を図るかということが重要なのではないでしょうか。  例えば,最低でも高校までは,公立も私立も,授業料については全額無料,広島市域の大学においては,就学援助または給付金制度の拡大とか,卒業後も広島市在住であれば,返済において優遇措置をとるとか,学びたい子供たちが家庭の経済力を心配しなくても本市で学べる制度を打ち出すべきだと考えます。当然のことですが,家族が広島市在住を条件としてのことです。そして,それに必要な財源は,場合によっては,私なりの発想ですが,例えば市民税── 住民税等の増税,あるいは教育税を創設して賄えばと考えております。  こうした教育環境が整えば,単身赴任者ではなく,家族で広島市に移住しようとする企業人がふえたり,広島を拠点にする企業や広島市民が増加する可能性もあると思います。当然のことですが,それにあわせて道徳教育など,教育内容の充実を図ることも重要だと考えます。学ぶなら広島と言われるぐらい,教育の町広島の実現を目指して,全市民を挙げて努力する必要があると思われます。  本市では,国に先駆けて,35人以下学級の少人数教育の推進や,今年度から市内の小中学校に本市独自の教育課程である「ひろしま型カリキュラム」の実施など,教育環境の整備・充実に努めておられますが,現在の子供を取り巻く厳しい経済状況の中,教育の町広島の実現を目指して,まずは教育費の保護者負担の軽減を図る必要があると思いますが,どのように考えておられるのかお伺いします。  次に,学校給食の運営について,お伺いというか,確認をさせていただきます。  学校給食で使用する給食物資の発注に当たっては,地元業者の育成の観点から,可能な限り地元業者の組合等への発注をするとともに,特に,物資の調達に関し,新規参入を望む業者が入札に参加しやすくなるよう,購入と配送を分離するなどの環境を整えることも必要ではないかと,私は従来から言ってきています。  以前,お伺いしたところ,衛生面や不良物資が納入された際の責任の所在がはっきりしないという理由で,購入と配送を分離できないということでしたが,検収をしっかり行えば,どの時点での責任かはっきりするはずで,基本的には給食会の責任だと思います。このことが,分離できない理由になるとは思いません。  保護者から預かった給食費で物資を購入しているわけであり,給食会は責任を持って安全で安心できる物資を納めるべきであり,また,配送手段を持たない業者でも入札に参加できることにより,競争性を高め,よりよいものを安価で納めることも給食会の責任ではないかと思います。配送手段を持たない業者には配送委託を認めるという対応をしておられますが,より競争性を高めるためには,まだまだ不十分です。  そこでお伺いいたします。  ことしの予算特別委員会でいろいろとお伺いしましたが,購入と配送の分離について,他の政令指定都市の中には配送センターを設置し,購入と配送を分離している都市も一部あることから,今後,改めて調査・研究してまいりたい,と御答弁いただきました。他の都市や民間の合理的な手法を取り入れるお考えはないのでしょうか,お伺いいたします。  次に,学校施設の整備について,特に太陽光発電システムについて質問したいと思います。  政府は,昨年4月に,経済危機対策において「スクール・ニューディール」構想を提唱し,非常災害時には地域住民の緊急避難場所としての役割を果たす意味からも,学校の耐震化,太陽光発電の導入を初めとするエコ改修,ICT環境の整備を中心に,21世紀の学校にふさわしい環境づくりを提言され,本市では,6月補正において,学校施設の耐震化やICT環境整備の予算が計上されましたが,太陽光発電システムについては計上されませんでした。  さて,本市においては,平成20年度を温暖化対策行動元年と位置づけ,2050年までに温室効果ガス排出量を平成2年比で70%削減するカーボンマイナス70を掲げ,これまで既に太陽光や水素等,環境負荷の少ないエネルギー利用による都市政策形成について調査・研究を始めるとしています。  そこで,太陽光発電システムを,もし広島市の公立小中学校205校すべてに標準的な20キロワットシステムを導入した場合,年間発電量は408万キロワットアワー,これは平均的1世帯年間消費量3,600キロワットアワーとすると1,100世帯分に相当し,CO2削減量は2,685トンに値するというデータも出ております。  私としては,積極的にこの事業を進めるべきだと考えていますが,広島市では現在,学校施設への太陽光発電システム導入について,どのような進捗状況にあり,またその効果についてどう考えておられるのか,今後どう進めていこうとされているのかお伺いいたします。  また,学校施設は,避難場所としての防災機能もあるわけで,昼間余った電力を夜間にも使うことができる蓄電池式の太陽光発電システムの導入も必要と思いますが,その点についても今後検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  続いて,認知症高齢者グループホームの充実についてお伺いいたします。  平成18年度より,認知症高齢者グループホームは,地域密着型サービスとして位置づけられていましたが,市が,整備数を日常生活圏域── 中学校区ごとに割り振ることとなり,このことにより,結果的に慢性的な施設不足に陥っているという問題が生じています。  安佐南区のホームでは,待機者が5人から7人というケースがありました。また,入居についても,広島市在住── 住民票が広島市であること,でなければ入居できなく,広島市に住む子供が田舎の親を引き取って世話をしたいという意向実現が難しくなっていると同時に,ニーズは確実にふえているようです。また,税金,医療などの各種保険や相続の絡みで,住民票を移すのが難しいケースもあります。  安芸郡府中町と安芸区の境に住む住民は,お互いにホームがすぐ自宅のそばにあっても入居することができないということも聞いています。  平成21年度から23年度中に,中区で5施設の整備計画があるにもかかわらず,現在まで2回の募集に対して応募がゼロである状況です。南区においても,4施設の整備計画に対し応募が3施設,選定が1施設にとどまっています。理由としては,地価が高く,まとまった土地や物件が不足してると推察されます。実際の入居者の住所地を見ても,安佐南区のあるホームでは,入居27人中,ホームのある同じ日常生活圏域から入居されている方は6名と,2割程度であり,実態として,住みなれた地域での生活という意味では実現されていません。整備が進んでいない地域の入居希望者は,必然的に周辺のホームに入居せざるを得ないため,もともとの生活圏域での入居を圧迫するおそれがあります。  ホームと同じ日常生活圏域からの入居者は,実態として,全入居者の半数以下ではないかということを聞いております。実際に,中区や南区でホームを開設するとなると,土地取得に係るコスト,あるいは土地賃借料を考えると,採算が合わないことも考えられますし,実際に入居する側の立場になって考えると,ビルの谷間の中の閉ざされたコンクリートの空間で生活すること,外で庭や菜園,花壇など,屋外活動を行う空間がない生活はいかがなものかと思います。それよりも,むしろ,郊外においてゆったりとした施設で,畑でとれたものを一緒に料理したり,菜園活動を楽しんだり,庭の果樹で季節を感じたり,庭を散歩したりすることができる施設が望まれるものと考えます。  人それぞれ暮らしてきた環境が違うので一概には言えませんが,認知症の高齢者が老後を過ごす理想の施設を描いたとき,都市部での日常生活圏域に縛られた整備の方向が正しいのか疑問もあります。認知症高齢者にとって,暮らしなれた土地で老後も引き続いて生活することより,のんびりゆったりと,入居者が施設に閉じこもりがちにならないように,屋外活動ができるスペースを確保した郊外型の施設が望ましいのではないでしょうか。  そこでお伺いいたしますが,中学校区で候補地を探すのが困難な場合もございます。日常生活圏域を区域に広げて整備計画を立案し,整備が進まない地区の整備予定数を近隣区に割り振ることはできないものでしょうか。  また,介護サービス提供に必要な部分は重要ですが,選定のために面積や施設規模をふやすことや大きくすることを求められると施設整備が進みにくくなることから,現在の募集,選定に係る施設・設備項目の採点基準を緩和できないものでしょうか。そして,入居について,入居希望者の家庭の状況などをかんがみながら,広島市外からの入居等について柔軟に対応できないものかお伺いいたします。  オリンピックと市民球場跡地,また駅周辺整備について,経済界や地元の方々からの意見を伺いましたので,自分の思いも入れながら紹介し,質問させていただきます。  広島の中心は,これまで紙屋町・八丁堀,いわゆる紙・八地区の一極でしたが,これからは駅周辺と二極で発展していくこととなりそうですが,球場移転と広島駅周辺への商業集積が進むことで,紙・八地区の地盤沈下が起きないか心配でもございます。一方が沈んで一方が栄えても,都市は発展しません。二極の発展こそが広島の充実,発展の条件だと考えると,都市自体が,魅力と強い吸引力を持つことだと思われます。吸引力を持つためには,規模よりもソフト面で質的に高めていくことと,平和公園,原爆ドームを訪れる観光客をいかに中心部に誘導するかだと考えます。  いま一つは,新たな観光開発です。  例えば,広島城です。ふだんは余り観光客がいないようですが,毛利輝元築城以来の長い歴史があり,日清戦争時には大本営が置かれ,その後,軍の拠点施設になり,原爆投下の第一報が発信された軍管区司令部の地下室など,被爆関連の史跡が多数あります。まだ余り知られていません。  広島市民としては,双方の発展と同時に,全市において,住みよい町から楽しい町広島を望んでいるのは間違いございません。そのような思いを持ちながら,まず広島駅周辺整備について申し上げたいことがあります。  カープの順位は別として,マツダスタジアムができて,広島駅の乗降客はかなり増加したものと推察いたします。今後も,二葉の里や広島駅南口B・Cブロック市街地の事業計画は,そのまま,できるだけ早く推し進めていただきたいと思いますが,それとは別に,特に新幹線口に関してですが,先日,都志見議員が,新幹線口広場を2階建てにして交通処理してみてはどうかと質問されました。私も同様に,送迎用の自家用車を2階部分に出入りさせる方法はできないものかと思っています。新幹線口交差点を中心に,ピーク時には大変混雑しています。地元の方や経済界の方から,南口と新幹線口のどちらか一方をタクシー専用,または片方を送迎用の自家用車専用に分けたら費用がかからないのではないか,あるいはマイカーの駐車場をなくし,バス・タクシーに限定したらどうかなど,いろいろな御意見もいただきましたが,結局,将来のことを考えると,2階デッキをつくるべきだということになりました。例えば,JR西日本広島支社用地の一部を提供していただき,共同で施行できないのでしょうか。技術的には可能だと思われます。  このままの状況が続くと,広島を訪れる観光客や企業人はどのように思っているのか不安でございます。都志見議員と質問の趣旨が同じこともあり,あえて答弁は求めませんが,ぜひとも検討すべき重要なことなので要望しておきます。  次に,旧市民球場跡地利用についてお伺いいたします。  旧市民球場跡地利用については,6月1日に市担当局から,跡地整備のイメージパースが示されました。私も見させていただきましたが,市民の皆さんにはどうも余りぴんときていないようです。跡地が今よりよくなるねという意見より,行ってみたいと思えるような公園とは思えないという意見もありました。  このイメージパースでは,旧市民球場のライトスタンドの一部を残す計画となっています。残すという意味からすると,ライトスタンドではなく,正面玄関を残す方がよりインパクトもあり,実際に玄関として利用することもでき,有効であるとの声もあります。観光客にとって,この場所に球場があったということが伝わりやすいと思われます。  今年度予算において,既に球場解体のための予算が認められており,市当局では解体に向けた準備を進めておられるとは思いますが,正面玄関部分を一部でも残すことを検討されたかどうか,保存するライトスタンドをどう活用していくのかお伺いいたします。  次に,商工会議所ビルについてお伺いします。  球場跡地東側に,商工会議所ビルの移転が計画されています。イメージパースによれば,この商工会議所ビルは6階建ての立方体のような建物となっており,デザイン的には余り工夫されていないように見受けられます。移転後の商工会議所ビルは,今後整備される広場に面し,多くの市民や観光客の目に触れることになります。そういったことを考えますと,この商工会議所ビルについては,観光客が思わず記念写真を撮りたくなるような,そんなモダンなデザインのビルにできないものだろうかと思います。  また,商工会議所ビルは,多くの人が集う広場に面しています。そこで,せっかくですので,広場を訪れた方々がビルの中に入ることができ,ビルの中から広場や原爆ドームが展望できるようになればいいのではといった意見もありました。  そこで,商工会議所ビルのデザインの見直しや市民への開放を進めることについて,今後どう検討されるかお伺いします。  次に,平和記念公園には,老若男女,多くの方々が訪れています。こうした方々がもっと平和記念公園や原爆ドームを身近に見られるよう,平和記念公園から旧市民球場跡地にかけて,地上約10メートル部分に遊歩道を設置し,平和記念公園を上から見たり,原爆ドームを横から見たりできたら楽しいと思われます。また,この遊歩道を旧市民球場までつなぐことによって,平和記念公園を訪れる観光客の流れがよくなり,より多くの観光客が球場跡地を訪れることになると思います。また,都心全体の回遊性を高めることにもつながると思います。遊歩道の整備には,財政的な制約もあり,容易ではないと思いますが,平和記念公園を訪れる観光客の方々に喜んでいただくだけでなく,球場跡地に人を呼び込む有効な方法にもなります。  そこで,こうした遊歩道の整備を含め,平和記念公園を訪れる多くの観光客の方々が,球場跡地など中央公園を回遊しやすくするための方策についてお伺いします。  旧市民球場跡地の整備には,まだまだ多くの意見があります。回遊性の向上を図り,球場跡地の魅力を高めるためにも,いま一度,前向きに考え直していただきたいと思います。  次に,2020年オリンピックの招致検討についてお伺いいたします。  広島市では,昨年10月に2020年オリンピックの広島・長崎両市による共同開催の検討を表明して以来,今や全国で200を超える自治体が参加している招致検討委員会で,その実現可能性について検討を進めています。  途中,ことし1月には,長崎市が共同開催を断念することとなり,現在,具体的な事業費を盛り込んだ基本計画の取りまとめを進めている最中だと聞いています。  2020年は,広島市が,平和市長会議と連携して,核兵器廃絶を実現したいと考えている目標の年であり,その2020年に被爆都市広島で,平和の祭典としてオリンピックを開催することには,大きな意義があると考えておられるようです。  私としても,本市でオリンピックが開催されればすばらしいことだと思っておりますが,多くの市民から,広島は本当にオリンピックを開催するだけの財政的な余裕があるのか,オリンピックに経費を投入すればするほど,そのしわ寄せが市民の生活に来るのではないかといった,不安視する声も聞きます。私も市民の代表である以上,こうした市民の声に丁寧に答えていく必要があります。  けさの新聞やニュースを見ましたが,改めてお伺いいたします。  広島市は,これまでの議会答弁などで,繰り返し,将来に過度な負担が残らない財政計画を策定したい,と述べています。これは当然のことであると思いますが,それでは,どのように過度な負担が残らないような財政計画を策定しようと考えているのですか。具体的な額をお答えいただければいいのですが,難しいようであれば考え方をお示しください。  また,具体的な事業費について,2016年オリンピック開催を目指した福岡市の計画を見ると,大会招致経費,大会運営経費,そして大会関連経費の合計額を約8000億と試算していました。広島市は,福岡市の計画事業費以下に抑えるべきと思いますが,それにしても膨大な事業費となることは間違いありません。  そこでお伺いいたしますが,こうした事業費をどのように賄おうとしているのかお答えください。  また,経済界の方から,広島でオリンピックが開催できれば,瀬戸内海を観光資源として有効に活用できるのではないか,また,マツダスタジアムや平和記念公園などをめぐるマラソンコースを設定すれば,広島らしさをアピールできるのではないか,といった意見もいただいております。なるほどと考えたわけでございます。  また,一方,交通機関が極めて発達し,宿泊施設が質,量とも整っている点などを考えると,やはり東京での開催の実現可能性が高いのではないかという意見もありました。そもそも,広島市と長崎市が共同開催を前提とした招致検討を行い,IOCの見解などを踏まえて共同開催は困難と判断した結果,広島市の単独開催に方針変更したことを考えると,東京都との共同開催の可能性はほとんどないと思いますが,仮に東京が開催都市となり,広島が協力都市という形で,マラソンや柔道,サッカー等々,一部の種目を広島で開催することができるなら,経費も抑えることができ,広島市にとって,開催都市になるよりもメリットがあるようにも思います。こうした可能性を探ることは考えられないのでしょうか,市のお考えをお聞かせください。  ちょっと早口で質問いたしましたけれども,以上で質問を終わります。  御清聴,ありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       八條議員の御質問にお答え申し上げます。  旧市民球場跡地の活用についての御質問がありましたので,まず私の方から,回遊性の向上についての考え方をお答えさせていただきます。  球場跡地の活用については,都心のにぎわいをつくり出し,一層の魅力づくりを進めていくという大きな目標があります。  球場跡地については,全体を環境に優しい緑地空間として整備し,多様な世代が憩い,集い,楽しみ,夢を感じることのできる空間づくりを進めています。あわせて,バスセンターや路面電車等の交通機関との連携も視野に入れ,平和記念公園やシャレオ,周辺商業施設などを含めた地域全体の回遊性の向上を図ります。特に,国内外から多くの観光客が訪れる平和記念公園と球場跡地との連続性を高め,一体化を図ることは,議員御提案のとおり重要であると考えています。  こういった考え方を踏まえ,ことし6月1日に発表した「旧広島市民球場跡地整備の概要と新たなにぎわいづくりに向けて」において,球場跡地を中心とした具体的な回遊性の向上策を方面別に示しています。  まず,平和記念公園のある南方向については,相生通りの横断歩道の拡幅や相生橋のアンダーパスの拡充を検討することにしています。議員御提案の立体遊歩道の整備は,世界遺産である原爆ドーム周辺の景観保全という視点から,また平和記念公園が名勝として指定されていることから,困難であると考えています。  東方面については,バスセンターと球場跡地を連絡するペデストリアンデッキの整備を予定しています。  西方面の基町環境護岸については,球場跡地と水辺空間との一体化を進めます。  そのほか,中央公園全体の回遊性を高めるため,公園内の案内誘導サインのリニューアルを検討します。また,周辺商業地域については,基町クレドやシャレオを連絡している地下歩行者ネットワークの活用に取り組みます。あわせて,拡大都心核の歩道の整備を引き続き進めます。  これらにより,球場跡地だけではなく,周辺地域を含めた回遊性の向上を図り,都心全体のにぎわいの創出につなげていきたいと考えています。  球場跡地整備のスケジュールは,大変厳しい状況にありますが,商工会議所の移転や全国菓子大博覧会の開催も予定されており,平成25年,2013年春の完成を目指し,取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○藤田博之 議長       市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     オリンピック招致検討についての御質問にお答えいたします。  まず,事業費とその財源についてでございます。  オリンピック招致開催に係ります必要経費につきましては,大会招致経費,大会運営経費,大会関連経費の三つに区分されます。  現在,オリンピック招致開催の実現可能性を見きわめるための判断材料となる基本計画素案の取りまとめ中でございまして,これらの経費の積算作業を行っております。  大会招致経費につきましては,広島市の世界的な知名度を生かすことや,ヒロシマ・オリンピックの趣旨に賛同する都市や企業に協力してもらうことにより,過去の大会実績や他都市の計画に比べて,少ない経費でより効果的な招致活動を行うことができると考えております。財源につきましては,本市負担金以外に,企業協賛金や寄附金で賄うことを考えております。  大会運営経費は,仮設による競技施設の整備費や,大会運営要員の人件費,競技会場の警備費など,大会運営全般に係る経費でございます。こうした経費につきましては,大会組織委員会が負担をするため,開催都市の負担は原則生じてきません。財源は,通常,テレビ放映権収入やスポンサー収入,チケット収入,寄附金等により賄われており,ヒロシマ・オリンピックでも同様に考えております。  大会関連経費は,オリンピック開催に関連して必要となる恒久的な競技施設や交通インフラの整備等に必要な経費でございます。これにつきましては,本市で負担することになりますが,既存の競技会場を最大限に活用することなどにより,必要最小限にするよう考えております。
     次に,広島での一部種目の開催についてでございます。  本市が2020年オリンピック招致開催の検討に取り組んでいるのは,核兵器廃絶実現の年である2020年に,被爆都市広島で平和の祭典として複数都市の協力を得ることによって新しいオリンピックを開催し,大都市だけでなく,世界のさまざまな地域での開催の可能性に道を開くということに大きな意義があると考えているからでございます。  このため,議員御指摘のように,協力都市として一部種目を開催するという形では,本市が目指すオリンピックの理念を実現することは難しいのではないかと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       健康福祉局長。 ◎志賀賢治 健康福祉局長   認知症高齢者グループホームについての4点の御質問に順次お答え申し上げます。  まず,整備区域の拡大についてのお尋ねでございます。  日常生活圏域は,介護保険法及び国の指針に基づき,地理的条件や人口,交通事情等の社会的条件,それから介護サービスの基盤整備の状況等を総合的に勘案して,利用者の最も身近な圏域として設定するものです。  本市では,中学校区を基本として,高齢者人口がおおむね3,000人から6,000人となることを目安に,39の圏域を設定しております。  認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスは,介護保険法に基づき,日常生活圏域ごとに必要利用定員数やサービスの量の見込みを定めることになっております。  本市では,平成21年度,2009年度から平成23年度,2011年度を計画期間とする広島市高齢者施策推進プランにおいて,圏域ごとに認知症高齢者グループホームの必要利用定員数を定め,それを基本に整備を促進しております。  続きまして,整備予定数の割り振りについての御質問でございます。  昨年度から,2回,26圏域を対象として,認知症高齢者グループホームの設置運営事業者の募集・選定を行いましたが,中区の4圏域,南区の3圏域,安芸区,佐伯区の各1圏域の合計九つの圏域について,設置運営事業者が決まっていない状況です。  広島市高齢者施策推進プランにおいて定めた必要利用定員数を確保するため,これら9圏域にも事業者の参入が促進されるよう誘導策を講じた上で,今年度中に設置運営事業者の募集を行う予定です。その結果,設置運営事業者が決まらない圏域が残った場合は,当該圏域の募集定員分を他の圏域の必要利用定員数に上乗せして募集・選定することにより,本市全体の必要利用定員総数を確保したいと考えております。  続きまして,施設・設備に関する採点基準の緩和についての御質問です。  本市では,認知症高齢者グループホームにおけるサービスの質の向上と公平性の確保を図るため,公募により設置運営事業者を選定しています。選定に際しては,あらかじめ公募時に公表している評価基準により評価しています。  この評価基準は,職員配置,家族や地域との連携,安全・衛生対策等のソフト面と,事業所開設予定地の状況,施設・設備の整備計画等のハード面から,総合的に評価するよう設定しています。  居室等の面積については,国が定める施設基準を上回る場合は,施設基準どおりの場合に比べて高く評価していますが,施設・設備に関する配点は,全体の20%であり,施設基準どおりの施設であっても,他の評価項目がすぐれていれば,設置運営事業者として選定します。  今後とも,設置運営事業者の選定に当たっては,総合的な評価を適正に実施し,サービスの質の向上に努めます。  最後に,市内のグループホームへの市民以外の入居についての御質問です。  認知症高齢者グループホーム等の地域密着型サービスは,要介護高齢者の住みなれた地域での生活を支援するという役割を担っていることから,市町村が事業者の指定を行い,その市町村の介護保険被保険者が利用することになっています。そのため,他の市町村にお住まいの方が住民票を移さず,本市に所在する認知症高齢者グループホームに入居することは,原則としてできません。  しかしながら,家族や同居人からの虐待を避けるため,その家族等に知られずに住所を異動する必要がある場合など,住民票を移すことができないやむを得ない理由がある場合には,申し出により,本市が介護保険の保険者として住所の認定を行い,入居を可能にしています。  今後とも,認知症高齢者グループホームの利用について,住民票が移せない事情のある方から具体的に相談があれば,できるだけ認知症高齢者の方々が困ることのないよう対応をしてまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       こども未来局長。 ◎磯辺省三 こども未来局長  子育て支援について,2点の御質問にお答えいたします。  まず,専業主婦家庭に対する子育て支援策についてです。  本年3月に策定いたしました広島市子ども施策総合計画において,すべての子育て家庭を支える環境をつくることを基本目標の一つに掲げ,保育サービスの充実とともに,子育て家庭に対する養育支援に取り組んでいます。  専業主婦家庭に対する支援としては,保育園・幼稚園において,園庭開放,育児講座などを行うとともに,子育て中の親子が交流できるよう,常設オープンスペースを設置しています。また,子育てに疲れたときに,保育園等において一時的に子供を預かる一時預かり事業や,保護者の急な用事などに対応するためのファミリー・サポート・センター事業を行っています。  今後も,常設オープンスペースの拡充,地域のオープンスペースの設置の促進などに取り組むとともに,保育園における地域子育て支援機能の充実などに取り組み,専業主婦世帯を含む本市の子育て支援施策の一層の充実を図っていきたいと考えています。  次に,幼稚園の認定こども園化についてです。  本市では,私立保育園の新設や増築整備,私立幼稚園の認定こども園化などにより,待機児童の解消に取り組んできました。その結果,平成17年度,2005年度以降,待機児童数は一貫して減少してきました。  しかし,一昨年秋以降の深刻化した不況の影響により,就労を希望する保護者が急増したことなどにより,昨年度から待機児童数は再び増加に転じ,本年9月1日現在で997人の児童が入園できていない状況となっており,待機児童の解消は本市の喫緊の課題であると認識しています。  待機児童の解消に当たっては,現在の保育園及び幼稚園の設置状況や将来の保育ニーズ等を考慮した上で,できるだけ既存施設を活用しながら定員増を図ることが望ましいと考えており,幼稚園に保育園機能を付加した認定こども園の設置を促進することは,待機児童解消策の一つとして適切な手段であると考えています。  このため,本年3月に策定した新たな保育計画において,私立幼稚園11園の認定こども園化を掲げており,今後とも,幼稚園の認定こども園化の促進に積極的に取り組んでいきたいと考えています。  以上です。 ○藤田博之 議長       都市活性化局長。 ◎片平靖 都市活性化局長   旧市民球場跡地利用についての質問にお答えいたします。  まず,正面玄関についてとライトスタンドの活用についてです。  旧市民球場跡地の整備に当たっては,旧球場を一部でも残してほしいとの市民意見を踏まえ,外野ライト側スタンドの一部を保存することにしています。  保存する外野ライト側スタンドの一部は,必要な補強や補修を行った上で,修学旅行生を初めとする来広者や,公園利用者のための休憩施設として利用する計画としています。また,スタンドの下に,イベントにも対応できるトイレや倉庫を整備し,新たな魅力ある公園施設にしたいと考えています。  なお,旧球場の正面部分については,商工会議所の移転を予定している場所であること,相生通りや地下街シャレオからの回遊を阻害することから,保存することにしておりません。  次に,商工会議所ビルについてです。  商工会議所ビルの移転については,現在,商工会議所において,関係する部会や委員会への説明が行われており,近く,機関としての正式な方針を決定する意向であるとお伺いしています。  今後,商工会議所においてビルの設計が行われ,その中でデザインや市民への開放について検討される予定です。市としても,これらの点について十分配慮していただくよう,商工会議所に対し要請してまいりたいと考えています。  以上です。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎濱本康男 教育長      教育について,数点のお尋ねがございましたので,順次お答えをいたします。  初めに,青少年に有害な図書類の規制についてです。  青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書類については,広島県青少年健全育成条例によって,青少年に販売しないように自主規制を求めるとともに,有害性が著しいものについては,有害図書類として18歳未満の青少年への販売等を禁じております。  本市においても,これら有害図書類については,全市で800名の地区青少年指導員が,販売業者に対し,青少年に販売等をしないよう定期的にお願いをいたしております。また,有害図書類が他の図書類と区分して置かれているかどうか,巡回の上,確認をし,適切な措置がなされていない場合には,販売業者に対して改善を申し入れております。  次に,青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例制定後の取り組み状況という点です。  この条例制定後は,条例の周知と,インターネットから流される有害情報の受信防止や有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングの普及促進などに努めております。  具体的には,携帯電話事業者や学校,保護者等へ,ポスターやリーフレットを配布したり,電子メディアに関する講習会を開催しております。この講習会は,昨年7月から本年8月末までに52回実施され,3,460人の方が受講されております。  また,保護者や教育関係者を中心に,電子メディアの特性や青少年のインターネット利用の見守りの実践方法を学び,地域で実際に啓発活動をしていただく電子メディア・インストラクター,これを現在までに31人育成し,その活動の支援を行っております。この電子メディア・インストラクターによるインターネット上の見守り活動は,昨年7月から本年8月末までに514回,1,245時間行われております。  さらに,児童生徒に対しては,学校において,平成22年度から全面実施となりました広島市独自の「ひろしま型カリキュラム」の言語・数理運用科において,小学校5年生から中学校3年生を対象に,インターネットや携帯電話の使い方などを取り上げ,情報や情報手段の適切な活用について指導を行っております。  次に,非行問題を繰り返す青少年に対する取り組みという点です。  地域における青少年を見守る活動としては,全市で800名の地区青少年指導員が,空き家などの危険箇所や,ゲームセンター,カラオケボックスなどを中心に,地域内を定期的に巡回し,警察等関係機関と連携しながら,青少年の問題行動の早期発見,早期指導に取り組んでおります。  次は,いじめの問題でございます。  いじめの問題に関する本市の状況でございますが,いじめの認知件数は,小中高等学校を合わせて,平成19年度273件,平成20年度227件,平成21年度160件となっておりまして,2年連続して減少しております。  いじめは,被害を受けた児童生徒の心身に深刻な影響を及ぼすことから,日ごろから,児童生徒のわずかな兆候やサインを見逃さず,早期に適切な対応を行うことが重要でございます。そのため,各学校では,いじめを発見するためのチェックリストなどを活用するとともに,児童生徒への面接による聞き取りや,学校生活に関するアンケートを実施するなど,いじめの早期発見に努めております。  いじめを認知した場合は,被害児童生徒との個別相談などを通じて,被害の状況を把握し,解決に向けて,担任だけでなく,管理職や生徒指導主事,学年主任,スクールカウンセラーなどでチームを構成し,関係保護者の理解と協力を得ながら,被害児童生徒の心のケアや加害児童生徒に対する指導を組織的かつ継続的に行っております。  また,いじめの再発防止に向けては,学級活動や児童会・生徒会活動などの場で,いじめの問題について話し合ったり,どうかかわったらよいかを考えたりする取り組みを行っております。  さらに,いじめの未然防止に向けては,各教科,道徳,特別活動など,全教育活動を通して,命のたっとさや,生きることのすばらしさを学ばせ,思いやりの心をはぐくんでいくとともに,今年度から,全小中学校において,児童生徒同士の良好な人間関係づくりを促進する「子どもの人間関係づくり推進プログラム」,これを実施しております。  御指摘のように,いじめの問題の解決には,家庭や地域との連携が不可欠でございまして,学校で発生した問題について,児童生徒の状況や個人情報の保護に十分配慮した上で情報を提供し,家庭や地域とともに取り組むことは重要であると考えております。  教育委員会といたしましては,こうした取り組みがより一層充実するよう,学校の取り組み状況の把握に努め,学校への指導を徹底し,いじめの問題の解決に向けて全力で取り組んでまいります。  それから,教育費の保護者負担の軽減を図ることについての御提案がありました。  昨今の厳しい経済情勢の中,すべての子供が安心して勉学に打ち込めるよう,教育費の保護者負担の軽減を図ることは重要であると認識をしております。  このため,本市では,本年度から,小中学校就学援助を国立,県立,私立学校へ拡大をするとともに,市立高等学校の授業料の無償化を実施いたしました。  また,現在,文部科学省においては,来年度に向けて,高校生のいる低所得者層の世帯に対する給付型奨学金制度の創設や,無利子の大学等奨学金の大幅な拡充について,平成23年度予算の概算要求を行うなど,保護者の教育費負担軽減のための施策が検討されております。  保護者負担軽減につきましては,こうした国の動向を注視しながら,本市としてどのようなことができるか,引き続き検討していきたいと考えております。  次は,学校給食会の運営についてでございます。  他の政令指定都市における給食物資の購入から配送までのシステムについては,物資の購入と学校等への配送を分離している都市が5市あります。そのうち3市が,配送センターを独自に設置しております。残りの13市は,本市と同様に,落札した業者が,直接,給食物資を学校等に配送する方法をとっております。  現在,財団法人広島市学校給食会において,物資の購入と学校等への配送を分離している5市に対して調査を行っております。今後,学校給食会において,施設・設備の内容や運営体制,委託経費等の調査結果を詳細に分析をすることにしております。  御指摘のように,給食物資の調達に当たりましては,その安全性を確保することはもちろんのこと,より競争性を高め,よいものを安価に調達することが重要なことと認識をしておりまして,教育委員会としても,学校給食会と密接に連携し,調査・研究に取り組んでまいります。  最後は,学校への太陽光発電システムの導入についてでございます。  本市の学校施設への太陽光発電システムの導入状況についてでございますが,平成22年度に初めて3校で供用開始をし,平成23年度はさらに3校で供用開始を予定しております。  導入効果についてですが,春日野小学校を例に,まず経費効果について御説明をいたしますと,太陽光発電システムの整備費2880万円,これをおおむねの耐用年数15年で割りますと,年間192万円となります。一方,太陽光発電システムが生み出す電力の経済的利益を換算いたしますと,1年間で約110万円となりまして,現状では,年間で差し引き82万円の持ち出しということになります。  次に,教育面での効果です。  導入した学校では,児童生徒が,校内に設置された太陽光発電システムの発電量モニターや屋上の太陽光パネルを興味を持って眺めているなど,地球環境問題への関心が高まっているとの報告がございます。  今後,環境教育の全体計画に,太陽光発電システムを題材とした学習を位置づけまして,身近な生活と関係づけながら,例えば「エネルギーと暮らし」,「地球温暖化」などの学習を行うことによって,地球環境問題への理解がより深まっていくものと考えております。  さらに,改正省エネ法への対応として,本市では,環境保全実行計画の中で,電気使用量の削減目標を掲げて取り組んでおり,その対応としても,太陽光発電システムの導入は有効な手段の一つであると考えております。  学校施設への太陽光発電システムの導入は,これまで,新築,増築,改築にあわせて行っております。既存校への導入拡大については,太陽光発電システム導入の経費効果や教育効果,本市の改正省エネ法への取り組み方針,校舎耐震化の進捗状況等を踏まえて検討したいと考えております。  なお,蓄電池式の対応についての御提案がございましたが,本市が導入しております太陽光発電システムには,現在,蓄電池式はございません。新設校に導入しております40キロワットの太陽光発電システムにおきましても,これは春日野小学校のまだ半年の実績でありますが,蓄電するほどの発電量にはなっていないというのが現状でございますので,これについては今後の検討課題としたいと思っております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       八條議員。 ◆18番(八條範彦議員) ちょっと確認をさせていただきたいんですが,まず保護者の負担軽減で,今,教育長の答弁の中で,国の動向を見ながらということがあったんですが,非常に国の動きは鈍いと思うんですよね。すべてにおいて,一律,何割か減額というふうなことで。これ,必要なものは必要だと思うんで,国とは別に広島市独自のやり方ができるんじゃないかなと,その範囲じゃないかなと思って提案をさせていただいたわけで,何とか,教育を充実させていただきたいという,これ改めてのお願いでございます。  それともう1点,給食会についてですけども,過去にはメーカー,業者,それぞれを指定した入札制度になっておりました。これはもうまさに官製談合と言われてもおかしくない,そういった制度であったわけですが,現在それがどのようになっているのか,広島市独自のそういった指定的な制度になっているかどうかということを報告していただきたいというお願い。  そして一つは,改めて発展的に改革させていく気があるかないか,教育長のお考えをお伺いして終わりたいと思います。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎濱本康男 教育長      学校給食会のあり方については,これまでも過去,八條議員から具体的な提案を幾つかいただいて,それについて,できるものから改善を進めてきたというふうに思っております。  今,学校給食会のあり方,この内容の問題もさることながらですが,財団法人のあり方そのものが,今,問われているというような状況もございますので,私としては,業務の改善も図りながら,今後どういうやり方で学校給食会を運営していくのがいいのかということも含めて,少し幅広く検討してみたいと,このように思っております。また具体的なことにつきましては,検討の進捗状況にあわせて御報告をさせていただきたいと思っております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       次に,11番藤井敏子議員。                〔11番藤井敏子議員登壇〕(拍手) ◆11番(藤井敏子議員) おはようございます。  日本共産党の藤井敏子です。会派を代表して一般質問を行います。  初めに,豪雨による浸水対策について伺います。  7月の梅雨明け前の記録的な豪雨が,日本各地に深い傷跡を残しました。県内でも5名の方が亡くなられるなど,特に庄原市の被害は予想をはるかに超えるものでした。被災された皆様には,心からお見舞いを申し上げるとともに,一日も早い復旧と再建を願うものです。  広島市でも,7月12日から降り続いた豪雨によって,14日には安佐北区口田地域27世帯と安佐南区の長束地域では538世帯という,広域にわたる床上・床下浸水被害が発生しました。両地域は,5年前の台風に続く2度目の浸水被害となります。長束地域では,数年前に,市によって,下水道を利用して山本川に排水するマンホールポンプが設置され,ほとんどの人が,これでもう心配はないと思っていました。
     ある,高齢でひとり暮らしの男性は,外が騒がしいので2階からおりたら,玄関の靴が浮いていたので急いで畳を上げた,とてもショックだった,と,突然の浸水の恐怖を語っておられます。  駅前の商店街で時計店を経営する男性は,床の電気系統がすべてだめになり,修復するのに600万円はかかる,今度こんなことがあれば,もう廃業を考えなければいけなくなる,と訴えられております。  また,安佐北区の口田地域でも,深いところで2メートル近い浸水となり,20世帯が床上浸水と,大変な被害でした。急激な増水に,間一髪で車で逃げて助かったという証言もあります。  最近の異常気象によるゲリラ豪雨は今後も予想され,こうした浸水被害をなくすためにも,原因の徹底的な究明と抜本的な対策が必要です。  先月末に,国の太田川河川事務所と県と市で,「平成22年7月梅雨前線豪雨内水対策検討会」が設置され,年内に被害防止の具体策をまとめるとされています。既に,これまで,被害の詳細の把握などされていると聞いていますが,そこで,以下,数点伺います。  1,安佐北区の矢口川と安佐南区の新安川の2カ所について,浸水被害がどういう経過で起こったのか。  2,それぞれの樋門はいつの時点でだれが閉めることを判断し,排水ポンプはだれがいつ操作したのか。それぞれの排水ポンプの能力と稼働状況はどうだったのか。  3,今回のような浸水被害を繰り返さないためには,ポンプ能力の増強が第一だと思いますが,浸水被害対策としてどういったことが考えられますか。  4,長束地域では,2年前に設置したマンホールポンプは,今回の豪雨に対してどういった役割を果たしたのか。その排水能力は毎秒何立方メートルですか。  5,秋の台風シーズンも迫っています。今後,ポンプ能力が増強されるまでの間の対策は考えておられるのかお答えください。  6,国,県,市の三者による豪雨内水対策検討会の結果は,住民説明会を開いて説明されるべきだと考えますが,どうですか。  次に,熱中症対策について伺います。  異常な暑さが続いたこの夏,熱中症で病院に運ばれた人は全国で5万人,広島市でも400人近くとなり,多くは65歳以上の高齢者です。亡くなった人は全国で500人に上ります。熱中症被害は気象災害と言えるものであり,温暖化による異常気象はことしだけに終わらないだろうと言われているだけに,自治体としても緊急な対策が求められています。  特に,貧困と格差拡大が熱中症被害をより深刻にしています。ことし8月,さいたま市で,生活保護が受けられず,電気もガスも10年間とめていた人が熱中症で死亡するなど,痛ましい事例が報道されています。広島市においては,電気やガスなどのライフライン切断時の行政機関への連絡体制はどうなっているのでしょうか。  生活保護を受給されている方の中には,高齢者,病気の方,障害のある方が多くおられますが,こうした方への安否確認は行われているのでしょうか。  また,ことしのような異常な暑さの場合,体調管理のため,急いで冷房機器を購入したりする必要が出てくると思います。購入費用の捻出が困難な低所得者に対して,生活福祉資金貸付を活用することができると国も認めています。しかし,生活保護を受給されている方については,この貸付金を収入として認定されることとなり,結果として,貸し付けは利用できない状況と聞いております。生活保護を受給されている方についても生活福祉資金貸付が利用できるように取り扱いを改めることや,電気代等の夏季加算の創設もあわせて国に働きかけるお考えはありませんか。  また,小中学校の普通教室へのクーラー整備については,我が党が議会でたびたび取り上げてきました。予算特別委員会の委員長報告でも取り上げられ,やっと,小中学校の普通教室にエアコン整備するという方針が決まりました。昨年度から既に14の小中学校に整備され,ことしの猛暑に間に合った学校では,子供たちが本当に喜んでいます。しかし,残りの27の幼稚園も入れて213校,全部整備されるまでに,今の計画では10年間もかかります。ことしは,8月下旬から登校する学校も多く,普通教室は40度近くになる学校もあったと聞いています。とても授業どころではなかったと,現場から悲鳴が上がっています。子供たちは10年も待てません。  お尋ねしますが,9月に入って何人の子供が熱中症で救急搬送されましたか。また,授業中,38度を超えた学校は何校あったか把握されていますか。  京都市は,当初,5年で全校を整備する計画でしたが,これでは長過ぎると,計画を見直して,3年間で全校に整備しました。川崎市は,2年間で小中131校,整備完了させています。長期にわたってエアコンのある学校とない学校が存在することは,保護者や子供たちからも,不公平だ,と強い声があり,教育的にも問題です。耐震工事とは別にしてでも,前倒しで一気に整備に踏み切るべきです。そのために,国,県にも補助を求めるべきです。市長のお考えを伺います。  次に,学校統廃合計画について伺います。  学校統廃合計画については,これまで何度も取り上げてきました。その後,基町小学校では,6月5日に学校統廃合計画を考える集会が行われ,自治会長を初め保護者や先生,地域の人約450名が参加し,地域あっての学校,学校あっての地域,と,さまざまな立場から存続を訴えられました。特に,基町小学校の卒業生の発言は,参加者の胸を打つものでした。一部紹介します。  私は,基町小学校に入ってとてもよかったと思っています,生徒同士は,クラスがえがないので6年間ずっと一緒でした,そのため,お互いのこともわかり合えているし,みんな仲がよかったです,中学校の先生に,基町はみんな仲がいいのう,こんな仲がいい学校は珍しい,と言ってくださったことは,今でも忘れられません,他校の雰囲気や先生,生徒のことをわかっているわけではありません,けれど,これだけは言えます,基町小学校は最高の小学校だと,私は,きっとこれから,こんな最高の学校に出会うことはまずないでしょう,最高の小学校をこれから先100年でも200年でもずっと残してほしいと思います,と,参加者の一人として堂々と存続を求める発言をしました。  教育委員会は,今回の適正配置計画を進める理由に,1学年2学級以下の小規模校が殊さら問題があるかのように,これまで地域にも説明してきました。しかし,6年間クラスがえがないことが,子供の人格形成上や学力にとっても,よい影響を与えるという,小規模校のよさを主張される教育専門家も少なくありません。事実,基町小学校は,そのことを実証しているのではないでしょうか。  京都市が行ってきた統廃合のように,1学年2学級以上なければ競争できないとか切磋琢磨できないなどと,教育的にも間違った,一面的な情報で保護者を不安がらせて統廃合に誘導するやり方は間違っていると言わざるを得ません。  学校統廃合が過疎地の子供に与えたダメージについて,新潟県の旧山北町を調査した研究結果があります。それによると,学校がなくなる中山間部は,一層の過疎化やいじめの出現などの問題点が挙げられ,教師からは,統合後,子供たちの問題行動は断然増加した,その理由に,学校統合後,教師と子供の人間関係の形成が困難になったが,バス通学であるため家庭訪問ができず,対策が打てない,といった点が挙げられています。  また,以前は地域の人が中心になって行ってきた,伝統文化を伝えるなどの総合の授業も行われなくなり,学校と地域が疎遠になってしまった,さらに,若年層が流出し,限界集落化し,基幹産業であった農業,稲作が衰退していくというサイクルがある,と分析しています。将来的な産業構造の展望も含めた地域づくり,まちづくりの中で,子供の成長,発達にとって地域の価値といったことを配慮して,望ましい学校のあり方を位置づけられなければならないと結論を述べています。  そこで伺いますが,いつまでも統廃合の対象校とされ続けることは,子供たちや地域にとっても,不安が広がるばかりです。これまで市教委は,今後とも地元との合意を図るために努力をすると言われておりますが,住民の意思を尊重するのなら,一刻も早く,計画は一たん白紙に戻すべきだと考えますが,どうされますか,お答えください。  次に,子どもの医療費助成について伺います。  広島市では,広島県と協調して,ゼロ歳から小学校入学前までの子供の医療費の補助制度があり,子供を持つ家庭は大変助かっています。昨年10月から,小学校1・2年の発達障害児まで対象が拡大されたことは,前進と言えます。しかし,全国的にはもっと制度の拡充が進んでおり,広島市のおくれが目立っています。  一つは,通院について,初診料算定時に1回当たり500円の自己負担があり,完全な無料化制度とはなっていないこともあります。  二つ目に,もっと年齢を引き上げてほしいという要望が根強くあります。ことし開かれた教職員組合の大会では,虫歯が20本もあるのに,貧困で治療を受けられない子供の事例の報告がありました。子供のいる家庭の貧困化は,広島市でも進んでいることが,就学援助受給率の上昇を見ても明らかです。  今日のように,全体として所得が下がり,不安定雇用が広がっている中で,子供が病気になったりけがをしたりした際に,経済的な理由から,必要な医療を受けられない事態が広島市でも起きていると考えるべきです。  広島市では,子供の生きる権利,育つ権利を保障しようと取り組んでいます。市のこうした姿勢からは,子供が必要な医療を受ける権利が阻害されている事態は見過ごすことはできないでしょう。  こうした中,多くの自治体で,小学校卒業まで,あるいは中学校卒業まで,医療費の補助制度の対象を広げています。広島市でも,対象年齢の拡大を進めるべきだと考えます。政令市のさいたま市,浜松市,堺市の3市は,入院,通院とも,中学校卒業まで対象にしています。入院だけ見ても,19の政令市中,既に10市が中学校卒業まで対象にしています。小学校卒業までと合わせると14市となっています。子供の医療費の補助制度拡大は,子供の権利保障と子供の貧困対策の重要な課題です。まずは,対象年齢の拡大に,ぜひ前向きに取り組んでいただきたい。どうされるかお答えください。  次に,若者の雇用確保について伺います。  先日,政府が発表した調査によりますと,完全失業者349万人,そのうち失業期間が1年以上の人は21万人もふえ,118万人にも上り,失業が長期化しています。  広島市の昨年度の調査によりますと,15歳から34歳までの完全失業者数は1万4300人と,全体の6.7%に対して7.6%と高く,特に15歳から19歳までは11%と,若者の失業状態は深刻です。  今春卒業の学生の就職内定率は,史上最悪となり,来年3月卒業予定の就職活動も厳しさを増しています。就職難と厳しい就職活動は,学生の責任ではありませんが,何十社も面接に行ったけど全部だめだった,自分は社会に必要ない人間なのか,という深刻な訴えも少なくありません。就職活動は,一人一人ばらばらで,就職先が決まるかどうかは,すべて自分の責任と思い込みがちです。学び,卒業して,社会人として第一歩が失業者というのは,特別に深刻な事態です。こんな日本社会でいいはずがありません。就職氷河期が繰り返されることは,企業や産業,日本の経済と社会の全体にとっても,大きな打撃です。今こそ,国も自治体も教育者も,そして何より企業と経済界が,この危機を打開するために,真剣な取り組みを行うときです。  そこでお聞きします。  高卒者を初め,地元での就職を希望する若者もふえています。家計を支えるために,地元から離れられないという事情もあります。地元での新卒者が就職できるような対策が必要ですが,いかがお考えですか。  2,また,行政としても,特に最近,100歳以上の高齢者の行方不明が大きな社会問題になりましたが,改めて,高齢者の見守り事業など,マンパワーが必要な行政分野には,大胆に正規雇用をふやすべきです。職員を削減することが最大の行財政改革というやり方は見直すべきだと考えていますが,いかがですか。  全国的に,若者の雇用について,積極的な取り組みが始まっています。広島県は,今春に就職できなかった高卒者に対し,企業などでスキルアップできるように,受託した企業に賃金助成をするなどの支援を実施しています。京都府では,今春卒業の未就職の高校生100人を対象に,府が4カ月間雇用し,月8万円の賃金を支給しながら,介護,農林業などの人材育成プログラムを受ける事業を実施するなど,積極的な取り組みが始まっています。  広島市は,若者を対象にしたフリースペースのほかに,国の緊急雇用創出事業で,若者の就業体験事業をこの11月から3月までの5カ月間,15歳から35歳の50名を対象に,企業等での就業体験や研修を実施し,正規雇用につなげるための短期雇用として始めようとしています。この事業を受託したのは派遣会社と聞いています。できるだけ多くの若者を正規雇用につなげるためにも,派遣会社に丸投げではだめです。市はどのようにかかわっていかれるのか,また,来年度以降はどうされるのかお答えください。  次に,介護保険について伺います。  介護保険が始まって10年が経過しました。この間の3回の制度の見直しのたびに,高齢者にとっても家族にとっても,使いづらい介護保険になったと言わざるを得ません。とりわけ,ホームヘルプサービスは,介護が必要になった人が住みなれた家で生活していくためには欠かせない制度です。ところが,このホームヘルパーのサービスは,自治体によって事細かな制限があり,いわゆるローカルルールによって,必要なサービスが受けられない事態があちこちで発生しています。  例えば,認知症のあるひとり暮らしの男性宅を,調理と食事介助で訪問した事例ですが,ヘルパーさんが調理した後,食事介助をしようとしたところ,今は食べたくないと拒否され,後で食べるから帰ってくれと言われました。その方は,飲み込みが困難で,一人での食事摂取は不可能で,ヘルパーさんもいろいろ声かけをしましたが,口をあけてもらえず,結局,予定の時間を過ぎたために帰りました。この場合の保険請求は,調理に要した時間のみ可能で,食事介助はしていないので請求できないとの指導を受けました。  別な認知症のある方の買い物介助の日のことです。その日の状態が不安定で,訪問して出かけるまでの支度に時間がかかり,買い物を済ませ,帰宅したら,計画より時間がかかってしまいました。オーバーした時間は自己負担だと言われました。  ホームヘルパーは,介護のプロです。ホームヘルプサービスは,利用者に必要な日常生活上の世話であれば提供できるというのが介護保険法の趣旨であるはずです。日常生活上の世話というのは,その人がその人らしく暮らし続けることではないでしょうか。であるならば,利用者が必要とする訪問介護に制限を加えることは,法の趣旨から反しています。  そこで伺います。  利用者が在宅で人間らしく生活するのにケアマネジャーが必要と認めたサービスは,提供されるべきではありませんか。また,そのためには,ケアマネジャーの知識,技術の向上が求められます。お考えをお聞きします。  2,認知症のある方への事例で紹介したように,例えば,食事介助を行った際,利用者が食事をするのを拒んだ場合,介護報酬が請求できないということになれば,全額,利用者が負担しなくてはいけません。認知症があるがゆえに負担が多くなるということは理解できません。利用者の生活を考えると,本人には請求できない,と言われる介護事業者もおられます。そうなると事業者の持ち出しになります。市のお考えをお聞きします。  広島駅周辺の開発について伺います。  平成15年7月には,都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域の指定を受け,まちづくり交付金や国の補助金などを活用して,広島駅周辺地区の再生に民間の力を引き出し,この地区への重点投資による開発を進めようとしています。既に,新球場建設や若草町地区市街地再開発事業が進められてきました。  しかし,若草地区市街地再開発では,施行者である民間企業の大和システム,竹中工務店などの都市開発合同会社が,緊急経済対策として既に国から16億円もの補助金を受け取っています。それでもまだ,市が40億円を貸し付けしないと,再開発ビル内のホテル経営がとんざしてしまう事態に陥りました。このことは,採算性を含めた民間の資金計画がいいかげんでも,事業に着手さえすれば,後は自治体が税金で何とかしてくれる式の無責任な開発です。都市の大改造を国策として行いながら,結局,都市開発が民間企業のもうけの道具,商品にされているだけではないでしょうか。  そこでお聞きします。  公共事業見直し委員会から6年が経過した現在,その当時の見直し対象にはなかった広島駅周辺開発に多額の税金が使われようとしています。公共事業見直し委員会の,地区開発の根本的なコンセプトの再検討,民間資本の導入の検討という意見は,どのように生かされたのですか。再検討された具体的な内容を教えてください。6年前の計画とどこが変わったのですか。  広島駅周辺は,巨大開発がメジロ押しです。新幹線口広場の整備,広島駅自由通路の整備,ペデストリアンデッキ,二葉の里地区開発,北口・南口の周辺地区開発など,一体,総事業費はどれだけになるのですか。事業別の事業費も教えてください。  とりわけ,広島駅自由通路の整備に係る事業費は127億円だと聞いていますが,このうち市は何割負担するのですか。  さらに,広島駅から新球場までをつなぐペデストリアンデッキの建設計画もありますが,これはだれが要求されているのですか。Cブロックの再開発計画との整合性や,再開発組合との合意はとれているのですか。  また,市民は,駅周辺地区にどんなまちづくりを願っているのでしょうか。税金を投入して,民間事業者の開発を手助けしても,一体どんな開発がされ,どんな町になるのか,多くの市民は知らされていません。大手企業主体の都市計画ではなく,住民参加での民主的な都市計画を官民協働で取り組むべきではないのですか。お考えをお聞きします。  次に,財政再建しつつ,いかに市民生活を応援する財源を捻出するかが,行政の腕の見せどころです。財源を確保するためには,急ぐ必要性のない巨大開発を見直すことこそ必要だと考えますが,今回の事務事業見直し── 事業仕分けには,駅周辺開発は何一つ見直し対象に入っていません。なぜ見直し対象になっていないのですか。理由をお聞きします。  次に,事務事業見直し等検討委員会について伺います。  去る8月2日,広島市事務事業見直し等検討委員会が設置され,市長が委嘱した10名の外部委員により,あらかじめ市が選定した50の事務事業について,順次見直し作業が進められています。私どもも,その内容に関心を持って見守っていきたいと思っておりますが,数点お尋ねします。  1,事務事業見直し等検討委員会の設置の目的と,今回50の事務事業が選定されていますが,なぜ50事業にされたのか。選定作業は,市のどこが行ったのか。それらの事業選定に当たっての基準は何ですか。委員の選定は,どういった基準で行われたのですか。  2,作業スケジュールを見ると,ヒアリング及び評価に要する時間は,1事業当たり40分程度── 説明5分,質疑30分,評価シートへの記入5分── となっています。分科会によっては,一日,午前9時から夕方5時まで,10の事業について次々に審議を行うことになっており,相当ハードなスケジュールとなっています。私どもが心配するのは,わずか5名の委員が,1件40分という短時間の流れ作業のもとで,長年積み重ねられてきた事業まで簡単に評価されていいのかという疑問です。委員からすれば,利用者の実態や生の声を聞く機会がないまま,わずか30分の質疑応答だけで自分の判定を下さざるを得ないわけですが,そんな乱暴なやり方は,とても市民の理解は得られないと思います。委員の任期は2年以内となっています。年内でまとめる必要はないと思います。委員が,直接,利用者や現場の声を聞く機会を設けるべきですが,どうされますか。  議会への報告はどのように行い,議会の意見はどう反映させるつもりか伺います。  今回出される答申は,今後の予算など市の政策決定にどの程度影響を与えるのですか。  5,今後も続けるというのであれば,市民の意見を十分反映できるような委員会とすべきです。岡山市では,平成21年度の事業仕分けでは,市民委員に加えて,経済界,労働組合,町内会,女性会などの団体推薦委員など,41名を入れています。また,今年度,広島県の行う事業仕分けでは,9人の公募による委員が入っています。本市においては2人ということですが,もっとふやすお考えはないか伺います。  最後に,オリンピック招致について伺います。  昨年10月に,突然,オリンピック招致構想が発表されてから11カ月がたちます。この間,市民と議会に提供された情報は,理念や大まかな構想で,市の財政負担,すなわち市民の負担がどうなるのか,果たして一地方都市で開催できるのかなど,肝心なことが全く明らかにされないまま11カ月が過ぎてしまったように思います。  とりわけ,財政負担の問題は,一番重要です。広島市の厳しい財政状態が,今後数年で劇的に好転することは考えられないことです。現に広島市は,いわゆる第3次財政健全化計画を進めていますし,こうした中で市民生活に直結する事業さえも取り上げて,いわゆる事業仕分けをしています。そこまでしないと市の財政が回らないということではないでしょうか。  質問ですが,これまでの,必要な情報がない中での議論で,私たちが一番重視したのは,オリンピックという,広島市にとって極めて大規模なイベントを,市民の合意抜きではできないはずだということです。市民の合意が前提でないかということに対して,担当部長もそうだと同意されています。改めて,市民合意が前提という点について確認します。また,招致に手を挙げるためには,市民の賛成がどの程度必要と考えておられますか。  次に,財政問題を含めた基本計画が出ていませんので,基本計画の具体的な内容から,是非については,議論はできません。ことしじゅうに結論を出すということですから,今回の9月議会での議論は大変重要であると思います。しかし,9月初旬に取りまとめるとしていたのに,10月になると,市民に判断材料を提供できるような議会での議論はできません。一体,どのように示そうとされているのか伺います。  また,本来は,市民に十分な情報提供を行った上で,相当な時間をかけて市民相互に議論し合って,市民の大多数が応援するという状況が,立候補する条件だと考えます。しかし,わずか2カ月余りでは,大変困難なことではないかと思います。どのような取り組みをされるお考えか伺います。  さらに,市民の圧倒的多数がやろうと言ってくれるかどうか,市民の意思を把握する必要がありますが,どのようなことをお考えか伺います。  大変な財政状況を考えれば,たとえ競技場一つにしても,新たに建設する余裕はないでしょう。オリンピックのための市の負担が,どの程度なら,市民生活にしわ寄せをすることにならないのか,市長のお考えを,根拠を示して明らかにしてください。  以上で質問を終わります。  御清聴,ありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       藤井議員の御質問にお答え申し上げます。  事務事業見直し等検討委員会についての御質問,何点かございましたので,お答え申し上げたいと思います。  本市では,財政非常事態宣言を発した平成15年度,2003年度に,全国に先駆けて,広島市公共事業見直し委員会や広島市補助金制度検討委員会を設置し,専門的・客観的視点から事務事業の見直しに取り組んできました。これら委員会の審議結果を踏まえた取り組み等により,財政再建団体に転落する可能性のあった本市の財政は,小康状態になりました。  こうした中,一昨年9月のリーマンショックに端を発した景気の後退等により,今年度当初予算の市税収入は,対前年度比マイナス4.9%となるなど,本市財政の悪化が懸念されています。  このため,予算編成や行政改革の推進に当たり,これまでの,職員による取り組みだけではなく,客観的な第三者の視点から本市の事務事業を評価していただき,新たな発想に基づく見直しの方向性等を提案していただければありがたいと考えています。  こうしたことから,このたび,事務事業の見直し等について,外部の視点から幅広く意見を聞くため,広島市事務事業見直し等検討委員会を設置しました。  この委員会は,国の事業仕分けのように,単に予算の削減を目的としたものではなく,場合によっては事務事業の拡充を図ることなども視野に入れて議論していただくことにしています。また,この委員会における検討内容については,一定の取りまとめが行われた段階で議会に報告し,議員の皆様の御意見もお聞きしたいと考えています。  委員会の答申後においては,議員からいただいた意見も踏まえつつ,答申内容を十分に検討した上で,来年度予算や今後の行政改革の取り組みに反映させたいと考えています。  こうした取り組みにより,効果的・効率的な事務事業の推進と,本市財政のさらなる健全化を図っていきたいと考えております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○藤田博之 議長       企画総務局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局長   まず,若者の雇用確保について,市職員の正規雇用,職員削減についての御質問にお答えいたします。  財政状況が厳しい中,義務的経費である人件費の削減は不可欠であり,引き続き,行政改革計画に基づき,職員数の削減に取り組む必要があると考えております。  こうした取り組みを進める一方で,市民にとってより満足度の高いサービスをきめ細かく提供できる執行体制の確保は重要でございまして,毎年度,一定数の正規職員を採用し,必要な部署に増員を行うなど,職員の適正配置に努めております。  今後とも,最少の経費で最大の効果を上げることを念頭に,適正な行政執行体制の確保を図ってまいります。  次に,事務事業見直し等検討委員会について,幾つかの御質問にお答えいたします。  まず,50事務事業の選定,それから委員の選定基準等に関する御質問でございます。  50事務事業の選定に当たっては,おおむね1000万円以上の事務事業の中から,社会経済情勢の変化や市民ニーズを踏まえ,事務事業の今後のあり方を検討する必要があると考えられるもの,また長期的に継続して取り組んでいる事務事業で,執行方法や制度等に関し改善の余地があると考えられるもの等を選定するものといたしまして,まず,各局が205の事務事業をリストアップしました。そして,この中から企画総務局が行政分野間のバランス等を考慮して,50事務事業を選定いたしました。この50という事務事業の数でございますが,委員会の分科会において1件ずつ各所管課にヒアリング等を行うことに要する時間や委員の負担等を考慮して決めました。  委員の選任において,学識経験者については,事務事業のあり方を公正に評価,分析するための専門的な知識や経験を有し,客観的かつ適正な判断ができる人を選任いたしました。また,市民委員については,性別,職業などに関係なく幅広く募集し,本市の事務事業のあり方について意欲的に審議していただける人を選任いたしました。  次に,委員が,直接,利用者や現場の声を聞く機会を設けるべきとの御質問でございます。
     利用者や現場の声については,分科会におけるヒアリングの際,各所管課が,事務事業概要調書に基づき,あるいは委員の質問を受けて適宜説明をいたしております。  委員会の審議内容は,マスコミによる報道や,会議要旨のホームページへの掲載等により,市民の皆様にも一定の周知がなされておりまして,本市の「市民の声」制度等を通じて意見が寄せられた場合は,委員に提供し,評価の参考にしていただいております。  こうした取り組みにより,利用者や現場の声を委員に伝えたいと考えており,委員が,直接,これらの声を聞く機会を設けることは考えておりません。今後の委員会審議の場に,広くさまざまな声が届くよう,事務局として努めてまいります。  最後に,市民委員をふやすことについてでございます。  委員会の委員数は,全体で10人であり,このうち2人が市民委員でございます。市民委員は,全体会議や分科会において大変活発に発言をされておりまして,市民目線の意見が反映された委員会の答申が得られるものと考えております。このため,現時点で市民委員をふやすことは考えておりません。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     若者の雇用確保についての御質問にお答えいたします。  まず,地元での就職についてでございます。  議員御指摘のとおり,新規高卒者等が地元に就職できるよう支援することは必要であると考えております。  このため,本市では,国,県と共同で,地元企業等が参加する合同就職面接会を開催するとともに,商工会議所等の経済団体に対し,求人の確保等について要請を行っております。  また,地元での雇用を拡大するため,中小企業融資制度の運用などによる中小企業の支援,環境・福祉関連産業の育成・振興事業などによる新産業の育成,企業立地促進補助制度の運用などによる新たな企業の誘致を行っております。  さらに,市立高校については,生徒の就職相談や求人開拓などを行うため,就職コーディネーター,これ仮称でございますが,その配置を検討いたしております。  また,広島県教育委員会では,高校生の就職を支援するため,ジョブ・サポート・ティーチャーや高等学校就職支援専門員を配置して求人開拓を行うとともに,生徒に対しては,個別の就職相談等の支援を行っております。  さらに,ハローワークでは,ジョブサポーターが,高校生等への就職活動の相談に応じるとともに,企業の求人開拓や,地域の中小企業と新卒者等とのマッチングを行っています。また,今月10日に閣議決定されました国の経済対策では,ジョブサポーターが増員され,体制が強化されることになっております。  国,県,市が連携して,このようなさまざまな取り組みを行うことにより,地元で就職できるよう,新卒者等を支援していきたいと考えております。  次に,委託による事業の実施と来年度以降の取り組みについてでございます。  若者の就業体験事業は,若者に賃金を支給しながら,ビジネスマナー等の研修と,受け入れ企業での就業体験を組み合わせて実施し,正規雇用につなげることを目的とした事業でございます。このため,この事業を実施するためには,企業の求人動向を把握し,多くの就業体験先を確保できること,就業者の職業適性を踏まえた研修や助言等の支援ができることが求められます。人材派遣会社は,こうした点において豊富なノウハウを有しており,広島県を初め,他の多くの自治体でも同様の事業を人材派遣会社に委託して実施をいたしております。  事業の実施に当たりましては,受託者から定期的に報告を求めて,若者の就業状況を把握するとともに,必要に応じて協議することにいたしております。  なお,この事業は,国の重点分野雇用創造事業を活用して実施しておりますが,国が今月10日に閣議決定をした経済対策では,追加の事業費を確保するとともに,本年度限りとしていた事業期間を来年度まで延長することにいたしております。  本市としても,来年度も引き続き事業を実施することについて,検討していきたいと考えております。  次に,オリンピック招致についてお答えいたします。  まず,市民合意についてでございます。  オリンピックの招致は,市民の合意が前提であるとの認識は変わっておりません。また,オリンピック招致の検討に当たっても,できるだけ多くの方々のお知恵を拝借して課題解決策を探ることが大切であり,そのためにもヒロシマ・オリンピックの意義,内容について,市民の皆さんの理解を得ることが重要であると考えております。  こうした考えのもと,これまで,ヒロシマ・オリンピックの理念や開催基本方針を取りまとめた時点など,節目節目で情報提供に努めるとともに,市民の皆さんから意見募集を行ってまいりました。  現在,オリンピック招致開催の実現可能性を見きわめるための判断材料となります2020年ヒロシマ・オリンピック基本計画の素案の取りまとめ作業を行っております。この計画素案の内容を市民の皆さんに十分御理解いただくため,これまでの,広報紙やインターネットなどを活用した情報提供に加え,各区で説明会などを開催し,市民の皆さんに直接説明する場を設けたいと考えております。こうした場を通じて,市民の皆さんの御意見を把握したいと考えております。  次は,議会への説明でございます。  基本計画につきましては,競技会場として想定をしております施設所有者などとも協議・調整をしながら,素案の取りまとめ作業を終えようとしているところでございます。今後,できるだけ早い時期に,この基本計画の素案の内容について,市議会に御説明する必要があると考えておりましたが,近く,全員協議会が開催されますので,そこで丁寧に説明させていただきます。  次は,市の負担についてでございます。  オリンピック招致開催に係る全体事業費につきましては,現在,基本計画の素案の取りまとめの中で積算作業を行っておりまして,本市の財政負担がどの程度になるかは,この基本計画の中で全体事業費とともにお示しすることにいたしております。  本年4月に取りまとめました2020年ヒロシマ・オリンピック開催基本方針では,「将来に過度な負担が残らない財政計画を策定する」としております。過度な負担となるかどうかの判断基準につきましては,例えば,オリンピック招致開催により,競技施設を整備した場合,大会後も市民に積極的に活用され,市民のスポーツへの関心が高まり,健康で活力のある社会の基盤づくりを加速させるのであれば,その施設整備費が,ある程度大きな投資であったとしても,過度な負担であるとは言えないと思っております。  また,オリンピックという世界が注目をする一大スポーツイベントの地元開催への期待感,そしてそれを目の当たりにすることにより得られる感動は,市民,特に子供たちのさまざまな夢をはぐくみ,都市に活力を与える原動力になります。  さらに,オリンピックの開催都市に選ばれることにより,国際的な評価が高まり,都市としてのステータスが上がります。  市の財政負担が適切であるかどうかにつきましては,今後,お示しする財政計画や有形無形のメリット,さらには市の財政の枠組みの中での他の施策への影響なども考慮に入れて,総合的に判断されるものと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       健康福祉局長。 ◎志賀賢治 健康福祉局長   医療・福祉についての数点の御質問に順次お答え申し上げます。  まず,熱中症対策について,ライフライン切断時の連絡体制についてのお尋ねです。  本市では,電気・ガス会社及び水道局を通じて,生活困窮により料金を滞納している人に対し,各種支援策や相談窓口を紹介したチラシを配布しております。  また,国民健康保険料や市税等の滞納者に対しては,生活困窮の申し出がある場合には,各所管の窓口において,福祉事務所に相談するよう助言しています。  さらに,地域においては,生活保護などの支援が必要と思われる人を民生委員・児童委員が把握した場合には,福祉事務所に連絡してもらえる体制となっております。  今後とも,こうした方法により,支援が必要な人を把握していくよう努めてまいります。  続きまして,生活弱者の安否確認── これも熱中症対策でございますが── についてのお尋ねです。  居宅で生活保護を受給されている世帯については,少なくとも年2回以上,定期的に担当のケースワーカーが家庭訪問を実施し,安否確認などを行っております。ことしの夏は,過去に例のない猛暑となったことから,ひとり暮らしの高齢者及び障害者については,定期的な家庭訪問とは別に,臨時的な家庭訪問等を行い,安否を確認するとともに,熱中症の予防対策を説明しております。  続きまして,同じく熱中症対策でございますが,冷房機器の購入費用についてのお尋ねです。  生活保護受給世帯が冷房機器を購入する場合,その費用は生活保護費のやりくりで賄うことになりますが,一時的に多額な費用が必要となることから,その捻出が難しい場合があります。こうした場合には,生活福祉資金の貸し付けを利用することが考えられますが,現行の生活保護の取り扱いでは,自立につながる事業の開始資金や技能習得資金などに限って,貸し付けを受けることを認めています。  冷房機器を購入する場合も,生活福祉資金の貸し付けを受けられるよう,生活保護の取り扱いの見直しを国へ要望してまいります。  なお,夏季加算については,現在,国において検討が行われており,その動向を注視してまいります。  続きまして,子供の医療費助成の対象年齢の拡大についてのお尋ねです。  子供が医療機関を受診した場合に,保険診療における自己負担部分を補助する乳幼児等医療費補助制度については,本市は,これまでも段階的に対象年齢の拡大に取り組んできており,昨年10月からは,小学校1・2年の発達障害のある児童を補助対象に加えました。  しかしながら,議員御指摘のとおり,他の政令指定都市における子供の医療費補助制度の状況を見ると,小学生または中学生まで対象としている都市が多くあることも承知しております。少子化が急速に進む中で,子供が健やかに生まれ育つ環境づくりを推進していくことは,本市における重要な課題であると認識しており,国,県の動向や,本市の財政状況等を考慮しながら,今後とも対象年齢の拡大等に取り組んでいきたいと考えております。  続きまして,介護保険のサービスの対象についてのお尋ねです。  介護保険制度における介護給付の対象となるサービスの範囲については,介護保険法等に基づき,国において,基準や具体的な取り扱いが定められており,介護支援専門員── ケアマネジャーのことですが── は,これに従って個々のケアプランを作成しております。  国が定めた基準等では,訪問介護サービスにおいて,直接,本人の援助に該当しないサービスや,日常生活の援助に該当しないサービスは,介護給付の対象外となります。例えば,大掃除,床のワックスがけなどは,日常的に行われる家事の範囲を超える行為として,一般的には介護保険の訪問介護サービスの範囲に含まれない事例とされています。  これらは例示として示されたものであり,介護支援専門員からの問い合わせなどにより,個別の事例について,国が定めた取り扱いの解釈に疑義が生じた場合には,国,県に照会し,そこで示された回答と,個々の利用者の状況等を勘案して判断しています。  続きまして,介護支援専門員の研修についてのお尋ねでございます。  介護支援専門員は,利用者が介護サービスを受けるために必要なケアプランを作成するという役割を担っており,その知識,技術の向上を図ることが求められております。このため,平成18年,2006年4月から,介護支援専門員の資格の更新制度が導入され,5年に1度の更新時に研修を受けることが義務づけられました。  また,本市では,居宅介護支援事業者研修会やケアプラン作成基本演習などを実施するとともに,事業者団体主催の研修や勉強会等で,本市職員が講師として介護支援専門員の指導を行っています。  さらに,サービス提供のもととなるケアプランの質の向上を目的として,ケアプラン点検事業を行っています。この点検事業は,本市職員が事業所を訪問し,介護支援専門員とともに利用者の自立支援の観点からケアプランを検証することを通して,ケアマネジメントの質の向上を図るものです。  今後とも,研修やケアプラン点検事業等を通じて,介護支援専門員の知識,技術の向上に努めてまいります。  最後に,訪問介護サービスの取り扱いについてのお尋ねでございます。  訪問介護の介護報酬の算定に係る国の基準等によれば,例えば,食事介助において,利用者が食事をとらなかった場合,訪問介護計画に位置づけられた食事の摂取という目的を果たしていないため,原則として介護給付の対象外となります。しかしながら,認知症の利用者の状態が不安定になり,結果的に利用者が食事をとらなかったことをもって,それまでの介助行為を一律に介護給付の対象外とした場合,事業者あるいは利用者に負担が生じることになります。  こうしたことも踏まえ,本市では,本年8月に,訪問介護計画に位置づけられた介護の目的を果たせなかった場合でも,目的を達成するための声かけ,準備等の一連の行為を行ったときは,介護支援専門員に連絡した上で,実際に介護を行った時間について,例外的に算定できるよう,取り扱いを見直しました。  なお,この取り扱いについては,本年8月11日付で,居宅介護支援事業所及び訪問介護事業所あてに文書を送付し,周知を図っております。  今後とも,一律・機械的に介護給付の支給の可否を判断することなく,個々の利用者の状況や介護の実態等に応じて判断していきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       都市活性化局長。 ◎片平靖 都市活性化局長   広島駅周辺地区の開発について,数点の質問にお答えいたします。  まず,公共事業見直し委員会の意見への対応についてです。  広島駅新幹線口整備については,公共事業見直し委員会の報告を受けて,平成16年,2004年2月に公表した「大規模プロジェクトに関する方針」を踏まえて,現在,取り組んでいます。  その基本的な考え方は,地区の開発に必要な道路等の都市基盤整備は本市が行い,陸の玄関にふさわしい都市機能導入や建築物等の整備については,民間主体の開発を実施または誘導するというものです。  具体的には,市営住宅のあった若草町地区で,本市が参加する組合方式ではなく,民間事業者による個人施行方式の再開発を進めてきたほか,二葉の里地区では,都市計画道路や公園,緑地等をUR都市機構が施行する土地区画整理事業で整備し,地区計画により国有地及びJR用地の民間開発を誘導する計画です。  次に,広島駅周辺地区整備の事業費についてです。  広島駅周辺地区整備の事業費については,二葉の里土地区画整理事業が51億9000万円で,うち本市の補助金は31億5600万円を予定しています。若草町地区市街地再開発事業は約333億円で,補助金と公共施設管理者負担金が約91億6000万円です。また,南口Bブロック市街地再開発事業については,再開発組合による現時点での概算で約332億円,補助金等は120億円程度と試算しています。Cブロックは,再開発準備組合による概算で約238億円,補助金等は90億円程度と試算しています。  以上の4事業の総事業費は約955億円であり,本市の補助金等は約333億円と見込まれます。このうちおおむね2分の1強が国及び県の交付金等で手当てされることになります。  道路関係の事業費については,広島駅自由通路が約127億円,ペデストリアンデッキが約26億円,新幹線口広場が約21億円を見込んでおり,総事業費は約174億円となります。本市の負担分は,広島駅自由通路に係るJR西日本負担分の約19億円を除いて約155億円であり,このうちおおむね4割は国の交付金等を見込んでいます。  以上の事業費を合計すると約1129億円となります。  次に,官民協働での取り組みについてです。  本市の陸の玄関である広島駅周辺地区については,ひろしま都心ビジョンで,新都心成長点として重点地区に位置づけ,回遊性の向上や,再開発によるにぎわい空間の創出など,主要な取り組みの方針を明らかにした上で整備を進めています。  再開発事業については,地元の地権者で構成する再開発組合や準備組合が主体となって進めており,都市計画の地元説明などは,これまでも市と組合等が協力して行ってきています。また,事業の進捗に応じて,市の広報紙やホームページを活用して,市民への情報提供に努めています。  最後に,事務事業見直しの対象についてですが,広島駅周辺地区の整備については,第5次広島市基本計画の分野別計画である「千客万来の都市の実現」のための施策の一つに位置づけており,南口B・Cブロックの市街地再開発事業や二葉の里土地区画整理事業,広島駅自由通路の整備等を推進することにしています。  このため,本市の活性化に向けて優先的に取り組むべき事業であり,今回の事務事業見直しの対象としていません。  以上です。 ○藤田博之 議長       道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    最初に,豪雨浸水対策について,順次お答えいたします。  まず,矢口川と新安川の浸水被害が起こった経過についてです。  このたびの豪雨により,太田川の水位が支川の水位を超えて逆流が始まったため,矢口川及び新安川の樋門を閉めると同時に排水ポンプも稼働させましたが,両河川の流域においてポンプの排水能力を上回る豪雨が続いたことから,浸水被害が発生したのではないかと考えております。  次に,樋門と排水ポンプの操作と排水ポンプの能力及び稼働状況についてです。  樋門の閉鎖につきましては,管理者である国が定めている操作要領に基づいて,太田川の水位が支川の水位を超えて逆流が始まったことを確認した時点で行うことになっております。このたびの大雨に際して,矢口川につきましては,国がこの操作要領に従って樋門の閉鎖を行うとともに,同時に管理する排水ポンプも稼働させています。新安川につきましては,国から樋門の操作を受託している本市が,同じく操作要領に従って樋門の閉鎖を行っております。また,県が管理する排水ポンプについても,本市が操作を受託しており,これも同時に稼働させております。  次に,排水ポンプの能力についてですが,矢口川は毎秒4立方メートル,また新安川は毎秒5立方メートルです。  また,排水ポンプの稼働状況につきましては,両河川とも樋門の閉鎖中稼働させており,矢口川は13日午後3時17分から翌14日午後9時10分まで,また新安川は14日午前8時15分から午後2時52分まで稼働させております。  次に,浸水被害対策についてです。  本市としても,排水ポンプの増強は効果的な対策の一つであると考えておりますが,雨水の一時貯留施設を設けるといった対策なども考えられるため,今後,「平成22年7月梅雨前線豪雨内水対策検討会」において,幅広く検討していきたいと考えています。  次に,ポンプ能力が増強されるまでの間の対策ですけども,当面の対策としては,国が所有する排水ポンプ車を有効に活用することとしており,現在,これの早期配備が可能となる体制づくりを検討しております。また,樋門を閉めた場合のより迅速な情報伝達が可能となる体制づくりや,被害軽減に向けた住民へのアドバイスを行う仕組みづくりについても,早期の確立に努めてまいります。  次に,対策検討会の結果は,住民説明会で説明すべきと思うがどうか,ということです。  検討会の結果につきましては,地元の方々に対し適切な時期に周知を図ることは重要であると考えております。議員御提案の説明会を開催するよう,国,県と調整してまいります。  続きまして,広島駅周辺地区開発についてです。  まず,広島駅自由通路の事業費の市負担分についてです。  広島駅自由通路の事業費約127億円のうち約7億円は,駅ビルを建てかえた場合に支障となる部分の工事費として,全額JR西日本が負担し,これを除く約120億円の9割に当たる約108億円を,昨年6月に国が策定した「自由通路の整備及び管理に関する要綱」に基づき,本市が負担する予定です。  次に,新球場までのペデストリアンデッキについてです。
     球場へのアクセスは,広島駅からの徒歩を基本としており,安全で快適な歩行者空間の確保を図る必要があります。このため,広島駅と球場を結ぶJR南側市道では,球場のオープンにあわせて歩道を整備するとともに,多くの入退場者が集中する時間帯は歩行者専用に道路を交通規制して,歩行者を安全に誘導しています。  本市では,今後の対策として,道路を交通規制することなく,いつでも安全で快適に歩くことができる新たな歩行者空間を確保することが必要と考えており,現在,ペデストリアンデッキの整備について,JR西日本等と協議を行っているところです。  また,Cブロックにつきましては,再開発準備組合から,再開発区域内に計画されている2階レベルの歩行者用デッキと接続したい旨の提案がされており,現在,接続の位置,構造等について協議を行っています。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       下水道局長。 ◎向井政博 下水道局長    豪雨浸水対策のうち,長束地域で2年前に設置したマンホールポンプについてお答えを申し上げます。  長束地域の下水道を利用したマンホール排水ポンプは,平成17年,2005年9月の台風14号により浸水をいたしました長束四丁目及び五丁目の浸水を軽減する目的で,国による下水道総合浸水対策緊急事業の採択を受けて,平成20年度,2008年度に設置したものでございます。このポンプの能力は,毎秒約0.3立方メートルで,これは平成17年,2005年の降雨量を想定して設置しております。  今回の豪雨では,浸水の始まった午前9時20分から午後4時までの6時間40分,2台ともフル稼働しましたが, 降雨量が多く,マンホールポンプの排水能力をはるかに超えました。このため,浸水を完全に防ぐことはできませんでしたが,約6,700立方メートル,小学校のプール約20杯分を排水いたしております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎濱本康男 教育長      熱中症対策についてのうち,教育関係をお答えいたします。  初めに,救急搬送の状況でございますが,9月になって熱中症またはその疑いがあるとして救急搬送された児童生徒は6名です。その場所別の内訳は,教室内が2名,野外活動等の屋外が4名でございます。なお,搬送された6名の児童生徒は,一両日中に全員が回復し,現在は元気に登校しております。  また,幼児児童生徒の健康管理のため,各幼稚園や学校では,毎日,教室の温度を確認しておりますが,その結果について,教育委員会として集計までは行っておりません。  次に,空調設備整備です。  普通教室等への空調設備の整備につきましては,校舎の耐震補強工事にあわせて行うことを基本として,昨年度から整備を始めました。  耐震補強工事とは別にして,早く進めるようにという御意見ですが,対象校すべてに空調設備を整備するには約60億円という多額の事業費が必要となります。また,空調設備の整備を耐震補強工事に先行して行う場合には,その後の耐震補強工事の際に,空調機器などの取り外しと復旧作業が必要となります。こうしたことから,平成30年度までに耐震補強工事にあわせて行うことを基本としたものでございます。  平成21年度には,耐震補強工事を必要としない学校のうち,平成25年度までに空調設備を整備する計画としていた7校について,国の補正予算を活用して,昨年6月議会に工事費の補正予算を追加計上するなどして,これまでに14校を整備いたしました。  今後も,こうした国の予算の動向や,本市の財政状況を踏まえながら,計画的に進めていくことにしておりますが,耐震補強工事や空調設備整備が少しでも早く進むよう,補助率のかさ上げなどについて国等へ要望を行っていきたいと考えております。  次は,学校適正配置計画を白紙にという御質問です。  本年1月に公表いたしました「広島市立小・中学校適正配置計画(素案)」で,学校統合検討対象校に位置づけました5小学校の地元に対する説明会につきましては,各地域に説明会の開催を申し入れまして,3月に基町小学校区と志屋小学校区で,7月から8月にかけて久地小学校区と小河内小学校区で開催いたしました。残る井原小学校区については,来月,説明会を開催することの了承をいただいております。  これまでの説明会において,地元からは,小規模校はきめ細かな指導ができるなどメリットが大きく,むしろよい教育ができている,学校は地域の拠点であり,学校がなくなると地域が廃れてしまう,町の活性化という視点からの議論が必要である,学校や地域の特殊事情への配慮が必要であるなど,さまざまな御意見をいただきました。  また,教育委員会では,県内他の市町の学校統合事例を調査し,新しい統合校に通学することとなった児童の精神的な問題や通学の負担などについて聞き取りを行っております。  その結果,他市町におきましては,このような問題を解消するため,例えば,統合前に学校行事や授業を合同で行い,児童の交流を深める,統合される側の学校の教員を統合校に配置する,統合校の教員を加配する,公共交通機関がない地区についてはスクールバスを運行させるなど,学校統合後の児童のケアに努めているとのことでございました。  適正配置は,将来の社会を担う子供たちの教育環境を向上させるために必要であると考えておりまして,現時点で素案に対し反対の声があることをもって素案を撤回すべきというものではないと考えております。  今後も,教育面等での適正配置の必要性や,他の市町の学校統合事例などについて,関係する学区の保護者,地域住民,地域団体の皆様に丁寧に御説明をし,さまざまな御意見や御要望もお聞きしながら,地域の活性化についても検討を重ねた上で,最善の結論を得ていきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       藤井議員。 ◆11番(藤井敏子議員) 答弁,ありがとうございました。  細かいところは,各関連する委員会でやっていきますけれども,数点ちょっと要望と確認をさせてください。  まず初めに,浸水対策ですけれども,これについては,やはりこれまでの台風の被害,その後の国と県がポンプの能力アップをしてこなかったという,このことが大変大きな今回の被害の原因ではあったと思います。ですから,今,三者で検討会を行われるという,今,進んでおると思うんですけれども,やっぱり,市がきちっと市民の立場で言わないと,国や県は動かないと思いますので,やはり被害の実態をまずしっかりつかんでいただいて,この検討会で,強く,河川の排水ポンプの大幅な能力アップを要望していただきたいことを要望しておきます。  そして,あと,熱中症対策ですが,結局,この夏,もう大変暑い中,8月下旬から子供が登校して,本当に,40度近い中での勉強というのは,もう地獄ではないかと思うんです。  こうした中で,エアコンついてるところは,とても学習に集中できてよかったよという,先生からも聞いています。やはりこういう状態を長く続けるということは,これはもう教育委員会としても認めるわけにはいかないんじゃないかと思うんですけれども。ここでぜひ,温度についても,これも教育委員会は把握する必要はなかったと言われますが,これ本当にいいのかというのもとても疑問です。30度以上とか超えている学校は,当然,あるかどうか把握すべきではなかったのかと思うんです。熱中症で病院まで運ばれているという,普通教室での子供たちが病院に搬送されているということは,もう本当に異常だと思うんです。この温度調査も,ぜひ,今からでもいいから調査,把握していただいて,ぜひ報告をお願いします。  そして,この1点だけは,10年間も不公平な学校間格差が続くことを,これをよしとされるのか,もう一度,教育委員会としての認識を再度伺います。  そしてあと,学校統廃合についてですけれども,今,基町小学校を初め対象校に上げられた学校は,いつまでこういう不安な状態に置かれるのか,これが,本当にいいかげんにしてほしいというのを聞いております。そういう点でも,早くに,これは結論を出すべきだと思うんですけれども,十分,今から,まだ意見も聞いてないところもあるということですので,ここはしっかりやっていただいて,いつまでも引き延ばさず,住民の意思に沿って計画の見直しをしていただきたい。  ただ,この統廃合計画は見直されないということですけれども,先ほども言いましたけども,子供のいじめの問題がありますよね,その中でも,本当に今,自己肯定感を育てる教育が必要なときに,240人以下の学校は統廃合するという,この計画自体が,今の教育委員会の考えとは逆行すると思うんです。ぜひ,そういう点も含めて,この適正配置計画は,まず,私はやめるべきだと思います。  これは引き続いて委員会でやります。  で,いつまでこういう状態を続けるおつもりか伺っておきます。  次,事務事業見直しについてですけれども,直接,市民の意見を聞く会はあえて設けないという御答弁でした。  しかし,わずか5人の中で,非常に,この間,既に行われた見直しの議論を見ましても,例えば,公営住宅の問題では,全く憲法や地方自治法とか基本的な認識があるのか疑われる議論もされているようです。ですから,再度確認ですけれども,この見直し等検討委員会は,市民の暮らしを守るということが基本だということを再度確認したいと思いますが,以上,どうでしょうか。これを聞いて終わります。 ○藤田博之 議長       企画総務局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局長   事務事業見直し等検討委員会についての再質問でございます。お答えいたします。  地方公共団体の事務処理については,「住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と地方自治法に規定をされております。  この基本原則に沿って,このたびの事務事業見直し等検討委員会も設置をされておりまして,今後,委員会の審議結果を踏まえつつ,効果的,効率的な事務事業の推進を図りながら,市民生活の質の向上に努めたいと,このように考えております。  以上です。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎濱本康男 教育長      熱中症対策についてお答えいたします。  ことしは,議員御指摘のように,我々も想定できないほどの暑さということもございましたが,今年度に入ってから,特に夏を中心に各学校に対して,高温が続いたことから,通知を数回にわたって発送いたしました,教育委員会から。その中では,例えば水分の補給を小まめに行うとか,そういったことも含めて各学校での対応を促すような措置はとっております。8月の終わりにも,まだ9月になっても高温が続くという見込みがありましたので,例えば扇風機等の購入を促すようなことも通知の中でいたしました。既に学校では,扇風機があるところでは扇風機も使いながら,授業に支障のないようにということで対応はしております。  教育委員会として温度を把握していないではないかということですが,学校においても,学校の教室の場所とか位置,北向き,南向き,その他で状況が変わりますので,教育委員会ですべてを把握するということにどれだけ意味があるのかということもございます。つまり,学校で,必要な範囲で必要な情報管理をして適切に対応してもらえれば,それで足りるということから,集計までは,私どもではいたしていないということでございます。  ただ,こういうことが将来も続くということになるのであれば,少し,対策も含めて情報収集,管理の仕方を検討はしてみたいと思っておりますが,今年度についてはそのような対応で何とかやってこられたということでございます。  以上です。 ○藤田博之 議長       あれでいいの。いいですか。はい,藤井議員。 ◆11番(藤井敏子議員) 済みません,さっききちっと言わなかったところが一つ漏れてました。  統廃合のところを,今後,いつまで続けるのかということと,あと,今の,学校に行かなかったということは,非常に私は残念だと思うんです。なぜ,行って,直接,今,どういう,子供が置かれているのかというのを,私は,教育委員会は当然行くべきだし,それが,今度のエアコンの整備だって,やっぱり急がなければならないということにもなると思うんですが,それは申し上げときますけれども,統廃合についての質問だけお願いします。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎濱本康男 教育長      先ほど,御答弁でも申し上げたように,とりあえずは,丁寧な説明を尽くして,御理解いただけるように努力をしてまいります。  当面,撤回とか,そのようなことは全く考えておりません。  以上です。 ───────────────────────────────────────              休   憩   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       この際,暫時休憩をいたします。                 午後0時09分休憩 ───────────────────────────────────────                 午後1時33分開議                 出席議員  46名                 欠席議員  9名 ○土井哲男 副議長      出席議員46名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○土井哲男 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  3番三宅正明議員。                〔3番三宅正明議員登壇〕(拍手) ◆3番(三宅正明議員) 皆様,こんにちは。  新保守クラブの三宅正明でございます。会派を代表いたしまして一般質問を行います。しばらくの間,御清聴のほど,よろしくお願いいたします。  まず,財政について発通いたしております。これは,質問と申しますか,提案,要望も含めて少しお話をさせていただこうと思います。  広島市は,平成15年10月に財政非常事態宣言を発表されて以来,現在に至るまで,財政再建に取り組まれております。夕張化を防がねばならない,将来世代に過度の負担を引き継がせてはならない。そのため,1年間の実質収支,いわゆるプライマリーバランスの黒字化を目標に,予算編成はもちろんのこと,市政運営においても最少のコストで最大の効果を上げることを念頭に行われています。  今後予想される少子高齢化による人口減少社会において,増大する社会保障費,一方,生産労働人口の減少に伴う歳入の減少など,広島市の財政を取り巻く環境は厳しいと言わざるを得ません。しかし,私は,厳しい状況が予想されるからこそ,今,行うべきことがあるのではないかと考えます。  最近の会社経営のトレンドに,「キャッシュフロー経営」と「選択と集中」という言葉があります。  キャッシュフロー経営とは,お金の流れを重視する経営ですが,今や経営者にとって大切な指標になっています。それは,キャッシュフローが潤沢な会社ほど経営体質は強く,倒産もしにくいからです。特に,1990年代以降は,銀行の貸し渋りが目立つようになり,キャッシュフロー重視の会社がふえました。しかし,多くは,手元に現金をストックすることばかりに執着しているように見えます。その現金を再投資して,持続的な増加を図るという本来の意味を忘れられているように見受けられるのです。  例えば,売掛金をできるだけ早く回収し,手形はもらわない,在庫はできるだけ少なくする,買掛金は信用を落とさない程度にゆっくり払うなどを心がければ,手元のキャッシュはふやすことができます。しかしながら,これでは自分はもうけることはできても,周りは全く潤うことがなくなってしまいます。  地方では,地域全体の景気がよくなっていかなければ,そのツケはやがて自分に返ってくる。一見すると順調そうに見えても,その実,自分の首を絞めている。そうならないためには,お金を循環させるという発想を持つことが大切だと考えます。  広島市の掲げるプライマリーバランスの黒字化も,みずから財政を再建することばかりを目的としたとき,地域全体の景気には悪影響を間違いなく与えます。それは,いずれ歳入の減少という形で,みずからをマイナスのスパイラルに追いやることになると考えます。  もう一つのトレンドは,選択と集中です。これは,得意の事業領域を明確にした上で,経営資源を集中的に投下し,ライバルとの競争を優位に戦うことがよしとされている戦略です。  そもそも,集中と選択がトレンドとなっている背景には,バブル期に見られた放漫経営に対する反省があります。当時,多くの会社が安易なもうけ話に乗って,本業と離れたいろんな商売に手を出していきました。目先の利益が利益の拡大に結びついた時代だったからできたことですが,その結果,本業がいつの間にかおろそかになって競争力を失い,バブル経済の崩壊後の生き残り競争の中で消えていきました。  広島市の予算編成においても,一律にカット率を設定し,重点項目を重要視する考え方は,まさに選択と集中ですが,市民ニーズが多様化する中で,一つの施策効果だけではさほどの効果は上がりにくいと考えられます。広島市の活性化を図るという共通の目的の上に予算編成を考えていただきたいと存じます。  そもそも,プライマリーバランスの黒字化は,目標であり,一つの財政規律を図るだけのものであり,決して目的ではないと考えます。もし,仮に財政的な目的を言うならば,究極的には,広島市が地方交付税交付金の不交付団体になるぐらいのことです。  地域を活性化させ,広島市の持続可能性を探すならば,広島市に愛着を持つ人をふやすことが重要だと考えます。それには,人口の適正な構成が必要で,特に,活気あふれる状態にするには,若年層の人口比率を高くしなければなりません。少子高齢化の時代ですから,人口の自然減の対策として,女性が子供を産みやすく育てやすい環境づくりは,広島市でも,十分ではないですが行われております。  これに加えて,人口の社会減対策が必要です。地元に魅力的な教育機関や働き先がないと,人口の減少に歯どめがかからなくなるからです。従来型の大企業による下請業務や公共事業頼みの経済対策では,根本的に変えることができないのは明らかです。起業などの創造的な活動に対する後ろ向きな風土から何とか変えていかないことには,明るい未来はありません。未来を担う起業家を数多く育成する,広島市で仕事をすることに誇りを持っていただく,そのために,起業を困難にしているさまざまな制約を取り除き,ハードルを下げるなどの支援も必要でしょう。  また最近では,ふるさと納税を広島市でもいただいておりますが,広島市への愛着と誇りを持って納税をしていただいた方々に,広島市の特産品を贈ることで地域の活性化を図ることもできます。  広島市で暮らしてよかった,働きがいがある,誇りある町だと感じる人が多くふえることで,地域は活性化し,財政再建にもつながると考えます。何かお考えがあればお伺いいたします。  次に,市政運営についてお伺いいたします。  まず,オリンピック招致についてです。  先日の都志見議員,大野議員の質問との重複を避け質問いたします。  昨年の10月に市長は,2020年のオリンピック開催を,2020ビジョンの集大成,世界から核兵器が廃絶されたお祝いとして,広島,長崎の共催で行いたいとの意思表示をされました。  その後,IOC憲章の制約から,広島市単独での開催を目指し,検討委員会の経費を本年2月の定例会で提案されました。一たんは議会において,財政負担が大き過ぎるなどの理由から否決されましたが,再議において,開催都市に立候補できるかどうかを検討するためには時間的な猶予がないなどの理由を述べられ,最終的には市長自身が責任を負うとの御認識で予算が可決されました。  今現在,広島市は,オリンピックを開催できるかできないかを検討している最中ですが,ここでは,もう一度,広島市にとって,オリンピック開催はふさわしいかふさわしくないかを考えてみたいと思います。  現代のオリンピックは,多くの有識者から,国家力の誇示,いわゆるナショナリズムの高揚であり,また,ショービジネス化された市場経済と,金銭的な腐敗が指摘されています。オリンピックが,平和の祭典ではなく,むしろ紛争をあおる要因となった場合も多いと指摘されています。それらも含めて検討していると言われるかもしれませんが,再議までかけられ,市長の責任で行われているわけですから,お伺いいたします。  私は,現代のオリンピックの政治的・商業的背景から,被爆地広島市としてなじまないと考えますが,仮に,市長の言われる,平和の祭典を真に核兵器廃絶のお祝いイベントとしてふさわしいものにするためには,現代オリンピックの政治的・商業的背景の意識転換を,市長みずからがJOCやIOCにかけ合う必要があると思います。立候補までに時間がないとも言われました。再議より今日まで,JOCやIOCに市長自身がどのような働きかけを行われましたか,お答えください。  次に,若草町再開発についてお伺いいたします。
     この事業は,法定再開発であるとの理由から,大和システム,三井住友銀行,民都機構を母体とする若草シティー合同会社に,保留床取得費として40億を無利子貸し付けする事業です。3月の議会でも,事業に対するリスクの高さから,今後,事業状況を議会に報告するよう決議案が出されました。今現在は,12月ごろに予算を執行する予定だと聞いております。  私は,本事業のリスク軽減の必要から,40億円の回収方法として,二つのシナリオを予算特別委員会で指摘させていただきました。  一つは,早期に保留床を売却して40億円を全額回収する方法。二つは,事業計画を予定どおり順調に進め,計画どおりに返済を進める方法です。  しかしながら,最近の円高により,保留床の売却は事実上不可能な状況であり,シナリオ1で示しました早期に保留床を売却するということは,現在のところ想定できないようになりました。  次に,二つ目のシナリオですが,お聞きしますと,現在のところ,ホテル・ビジネス棟の入居率は,3月に議会にお示しいただいた1年目の事業計画には到底及ばない状況と聞いております。初年度から計画どおりいかないものが,どうして10年先は安全と言えるのでしょうか。  また,事業者の一つである大和システムは,現在,事業再生ADRを申請しており,これもまたリスクを高めております。確かに,予算として40億円の無利子貸し付けは計上されておりますが,状況は劇的に変化しており,非常にリスクが高くなりました。予算の執行を当分見合わせるべきだと考えますが,いかがでしょうか,お答えください。  また,本事業が破綻した場合,広島市は,市長に対して求償権を発動することも想定できますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  次に,平和行政についてお伺いいたします。  まず,平和宣言についてお伺いいたします。  ことしの8月6日,市長は,広島弁で始まる平和宣言を平和記念式典で発表されました。ことしの夏は特に暑く,私も会場にてお聞きしておりましたが,市長の真意を確かめたく質問いたします。  平和宣言の中で,「核兵器廃絶の緊急性に気付かず,人類滅亡が回避されたのは私たちが賢かったからではなく,運が良かっただけだという事実に目を瞑(つぶ)っている人もまだ多い」とのお言葉がありました。  私は,この発言を聞き,大変悲しい気持ちになりました。核兵器を使わなかったのは,多くの国々の外交努力や国連の活動,さらには市民活動によってであると思えば,運がよかっただけとは何事かと,そのように感じました。また,平和市長会議の会長である広島市長の言葉としても,財政が厳しい折,決して安くない費用を負担している広島市民は,いかが考えるかとも思いました。さらに,この平和宣言は,市内の小学生,中学生の子供たちが平和学習に活用する教材でもありますが,子供たちはどのように感じるかとも考えました。  平和宣言は,広島市の場合,伝統的に市長お一人で作成すると聞きました。長崎市の場合は,起草委員会で作成されるそうです。  そこでお伺いいたします。   「運が良かった」とのお言葉の真意と,今後,平和宣言の起草に関してどのように行うのかお聞かせください。  次に,ラモン・マグサイサイ賞についてお伺いいたします。  まずは,御受賞,おめでとうございます。  担当課に問い合わせたところ,市長個人での受賞だそうです。私人としての秋葉市長の受賞ではありますが,公人として平和市長会議会長,広島市長としての活動が認められての受賞であろうかと思います。市民とともに喜びたいと思いますが,先日の記者会見で,受賞賞金5万ドルの使い道を尋ねられた際,公職選挙法の規定から,寄附行為はできないが,何か方法を考える,と申されました。  平和活動にかかわる経費については,従前より,広島市のみの負担ではなく,平和市長会議の加盟都市や国からも支援をお願いしてはどうかとの提案が議会にあります。  そこで,提案があります。  このたびの受賞賞金を基金として,今後の広島市の平和活動に活用されてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  次に,折りヅルについてお伺いいたします。  毎年,8月6日が近づくと,全国各地,世界じゅうから,広島市には折りヅルが送られてまいります。佐々木禎子さんをモチーフにした原爆の子の像には,年間約10トンの折りヅルが送られてきます。広島市は,折りヅルを物量で示すことで,平和の大切さ,原爆の悲惨さを訴えるとの御認識で,過年にわたって折りヅルを保管しております。  今年度は,それら折りヅルの活用方法として,折り鶴ミュージアムのあり方検討を行っております。この予算も,先ほど申しましたオリンピック招致検討費用と同様,議会により一たん否決されましたが,再議により可決されたものです。  せんだって,先輩議員と,折りヅルが保管されているという安芸区矢野の旧安芸不燃減容センターを視察いたしました。保管と申しましても,ビニール袋に入れられた折りヅルは,うずたかく積んであるといった印象でした。とても,大切なものを大切に扱っているとは感じられませんでしたが,どのような判断で保管されているのかお答えください。  また,原爆の子の像にささげられる折りヅルは保管されますが,その他の慰霊碑にささげられる折りヅルは,各団体の判断に任せているそうです。廃棄処分されるものもあるようです。原爆の子の像にささげられる折りヅルとその他の慰霊碑にささげられる折りヅルの区別の違いをお答えください。  続きまして,子ども条例についてお伺いいたします。  広島市では,これまで,児童虐待やいじめなどの子供の権利侵害の深刻化,また子供自身の自己肯定感の低下などの現状分析のもと,我が国が批准している子どもの権利条約を基本に,子ども条例の制定を目指しています。  これに対して,子供の保護者を初め多くの市民から,子ども条例の制定については,賛成と反対,両方の御意見が議会に寄せられております。議会においては,これまで,所管委員会である厚生委員会,また安心社会づくり対策特別委員会で活発な議論が行われてまいりました。さまざまな御意見の中から,今回は三つの点についてお伺いしたいと思います。  まずは,PTAとの関係についてお伺いいたします。  ことし8月の初め,広島市PTA協議会会長と副会長が教育長を訪ねられ,子ども条例について話し合われたと聞いております。その中で教育長は,市が進めるなら協力する,市長は選挙で選ばれていて,民意であるはずだから,市教委も従うしかない,よい条例にしたい,と言われたそうです。PTAを初めとする保護者は,現場の校長先生としっかり話し合いたいと希望されても,校長先生は,立場上何も言えない,との一点張りだそうです。仕方なしに教育長と話し合われても,PTAはPTAの行事だけをしていればよい,PTAのPの一部だけが反対しているだけで,Tは了承していない,など,問答無用の対応をされたと聞き及んでいます。  これでは,子供のためとは言いながら,教育委員会や校長会の立場を守るだけの対応であると考えます。教育委員会は,こうした現在の状況をどのように考えているかお答えください。  また,今後,PTAとどのように対応されるおつもりかお答えください。  次に,県の教育委員会との関係についてお伺いいたします。  広島市が子ども条例で想定している年齢は18歳までですが,そうすると,当然,県立高等学校の生徒も対象となります。  県議会の文教委員会で,県の教育部長は,生徒が,学校で定めた校則等に対して意見表明や救済を求めることなどによって,円滑な学校運営の妨げとなることが懸念される,と述べられ,パンフレットの配布を保留するなど,条例を危惧されています。  広島市のこども未来局に聞いたところ,誤解と不正確な情報だと言われました。どこにどんな誤解があり,そうであるならば,今後どのように対応されるかお答えください。  最後に,施策効果と住民との関係についてお伺いいたします。  これまで,広島市に,子ども条例のメリット,デメリットについてお伺いしたところ,メリット以外なく,デメリットはない,と答弁されてきました。  県の教育部長は,子供の自由な意思表明は,権利擁護委員会を利用して,学校運営にかかわる内容について干渉してくる可能性があり,校長権限が著しく制約された本県の歴史を踏まえたとき,学校運営が妨げられる事態を危惧する,と述べられています。  現在の広島市の小中学校は,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカー,スクールサポート指導員などの外部人材を活用しないと対応できないほど厳しい環境にあるとの御認識にもかかわらず,施策効果としてのデメリットが全くないということはあり得ないと考えます。  そこでお伺いいたします。  例えば,子供たちが金髪にして学校に来るなどの校則違反を犯したとき,条例を根拠に権利主張したとき,どのように対応されますか,お答えください。  また,子供であれば,一度は大人に聞く質問をしたいと思います。  どうして勉強をしなければならないんでしょうか。教育委員会のお答えをお願いいたします。  最後に,防災と復旧についてお伺いします。  本定例会には,7月のゲリラ豪雨の災害復旧の補正予算が計上されていますが,近年の異常気象により,市内各地でさまざまな被害が報告されています。市民の生命と財産を守るべき広島市として,安心・安全なまちづくりを推進していくことはもちろんですが,実際の被害状況や災害時の行動,その後の市民生活に与える影響などを数点お伺いいたします。  まず,内水はんらんハザードマップについてお伺いいたします。  ゲリラ豪雨などにより,下水があふれたり,道路上のアンダー部分の冠水の被害が発生しております。  そこでお伺いいたします。  それらの内水はんらんのハザードマップは,作成しておられるでしょうか。作成しておられるのであれば,市民は知っておられますか。また,市民への啓発はどのように行っておられますか,お答えください。  次に,避難勧告の発令についてお聞きします。  避難勧告の発令は,地域住民にとって,ゆゆしき事態ではありますが,近年のゲリラ豪雨など,経験を超えた事態に陥った場合,人命尊重の観点から,早期に発令する判断が必要ではないかと考えます。  そこでお伺いいたします。  災害時の避難勧告は,だれがどのタイミングで発令し,だれに伝えているのですか。  また,先ほど申し上げたように,発令がおくれて,被害が出る可能性もあるので,もっと迅速にした方がよいと考えますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  3点目は,がけ崩れの復旧についてです。  ことしの7月の災害の後,被害状況の把握のため市内を歩いておりますと,山すそのがけ地に青いビニールシートがかけられている様子を見ることがあります。事情を聞いてみますと,個人所有の山林であり,復旧するにも金銭的な資力がなかったり,そもそも,境界も,だれの所有なのかもわからないなど,問題を抱えています。  山崩れやがけ崩れが起きた場合,公共用地であれば公共が復旧しますが,個人所有の場合,復旧ができないことも往々にしてあるため,このような場所では再び崩壊のおそれがあり,周辺住民に不安を及ぼしています。個人が行う復旧に対する融資や助成制度を充実させ,個人所有のがけ地の災害復旧を促進すべきだと考えますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  最後に,未整備の都市計画道路と急傾斜地事業についてお伺いいたします。  安芸区船越には,未整備の都市計画道路の区域内に危険ながけ地がある地域があります。その場所では,急傾斜地崩壊危険区域の指定と崩壊防止工事は難しいと聞いております。  このようなケースでは,都市計画道路が整備されるまでの間,がけ下の家屋を守れない状況が続くことになりますが,どのように対応されるのかお答えください。  誠意ある御回答をいただけますことを期待いたしまして,私の質問を終わります。  御清聴,ありがとうございました。(拍手) ○土井哲男 副議長      市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       三宅議員の御質問にお答え申し上げます。  防災と復旧について御質問がございましたが,防災の基本的な考え方について,私の方から申し上げます。  広島市では,災害対策基本法に基づき,広島市地域防災計画を定めています。この地域防災計画に基づき,災害を予防するための具体的な事業計画として,災害に強いまちづくりプランを策定しています。これは,平成7年,1995年1月に発生した阪神・淡路大震災を教訓として,平成10年,1998年3月に策定したもので,災害に強い市民活動の推進,災害に強い組織体制の整備,災害に強い都市構造の形成の三つを柱にしてまちづくりを進めていくことにしています。  さらに,平成11年,1999年の6.29豪雨災害等を踏まえて,風水害対策を同プランに盛り込み,土砂災害,洪水,高潮災害等の防止や被害の最小化を図るための各種防災対策事業に取り組むことにしています。  また,最新の科学的知見や他都市における事例からの教訓等を生かし,毎年,計画の更新を続けるとともに,いざという場合には,この計画に従って的確な対応ができるよう,予算措置はもちろんのこと,日常的な訓練等を徹底しています。  こうした考え方を全市的に共有するため,広島市では,特に,自助,共助,公助のバランスをとることを強調しています。すなわち,災害による被害を最小限にとどめ,被害の拡大を防止するためには,みずからの身は自分で守る「自助」,市民同士がお互いに助け合う「共助」,行政が行う各種防災対策及び消防職員・消防団員の災害救助活動などの「公助」が,バランスよく機能する必要があるということです。  中でも,自助,共助の面で,広島市は,全国的にも高い評価を受けている活動を続けています。例えば,安佐南区伴地区では,自主防災会連合会が中心となって,災害危険箇所や寝たきりのお年寄りなどがどこに住んでいるかを記載した詳細な防災マップを作成し,これに基づき,地域住民が連携して,夜間宿泊訓練を毎年実施するなどの取り組みを行っています。こうした取り組みを継続している例は,全国でも少なく,先進例として,防災まちづくり大賞を受賞しています。  こうした実績をもとに,さらなる努力を続けることは当然ですが,特に公助の面では,本市として,引き続き,浸水対策や河川改修事業の推進,防災行政無線の更新整備,公共施設の耐震化などに取り組むとともに,自助,共助についても,自主防災組織の育成強化などを行い,災害に強いまちづくりプランに基づき,市民と行政が一体となって総合的なまちづくりを進めていきます。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○土井哲男 副議長      財政局長。 ◎岡田輝彦 財政局長     ふるさと納税につきまして御質問をいただきました。  ふるさと納税── これ,本市に対する寄附金でございますが── この寄附金収入の増加に向けたこれまでの取り組みといたしましては,平成19年,2007年7月に,市のホームページに寄附を募集している分野ですとか,手続等に関する紹介の総合ページを立ち上げております。さらに,その総合ページの中では,ふるさと納税をしていただいた方の氏名等を公表するなどの取り組みも行っております。このほか,ふるさと納税制度に関するリーフレットを作成いたしまして,県人会等を通じて広く本市に対する寄附の呼びかけを行っております。これらに加えまして,本年7月から,インターネットを利用した寄附金,ふるさと納税のクレジットカード決済を開始いたしまして,ふるさと納税をしていただく方の利便性の向上を図っております。  議員御提案の特産品の提供についてでございますが,一定のコストがかかることから,他団体の状況等も見ながら,まずはその可能性につきまして関係部局と協議,検討したいと考えております。  よろしくお願いします。 ○土井哲男 副議長      市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     まず,オリンピック招致についての御質問にお答え申し上げます。  2020年ヒロシマ・オリンピック開催基本方針では,ヒロシマ・オリンピックのコンセプトの筆頭に,大都市だけでなく,世界のさまざまな地域において開催可能なオリンピックのモデルとなることを掲げております。  本市のこうした考え方は,昨年秋にオリンピック招致検討を表明して以来,マスコミ等を通じて世界じゅうに知れ渡っております。また,市長は,これまでさまざまな機会をとらえて,ヒロシマ・オリンピックの意義,コンセプトの説明を行ってきております。その結果,国内外において賛同の輪が確実に広がりつつございます。  現在,ヒロシマ・オリンピック招致開催の実現可能性を見きわめる判断材料となる2020年ヒロシマ・オリンピック基本計画を取りまとめており,まずは本市の提案する新しいオリンピックのあり方を具体化することが必要ではないかと考えております。  平和行政についての数点の御質問にお答えします。  まず,平和宣言についてでございます。  これまで,1962年のキューバ危機や1989年に始まったコソボ紛争など,戦争や紛争の際に核兵器使用のおそれがあったことは公知の事実です。  このように,一触即発の状況が幾度もあったにもかかわらず,核兵器廃絶の緊急性が世界的になかなか認識されなかったという状況を憂いて,「私たちが賢かったからではなく」と表現をし,そのような状況下であっても,結果として核兵器が使用されなかったことを「運が良かっただけだ」と言うことにより,それが必然の結果ではなかったことを示し,核兵器廃絶の緊急性を強調しようとしたものでございます。  次に,平和宣言の起草についてでございますが,長崎市が取り入れております起草委員会方式の場合,複数の委員の意見を取り入れることになりますが,その反面,宣言文の内容が総花的になるという面もございます。  本市では,平和記念式典の限られた時間の中で,特に重要と判断した内容を重点化して盛り込み,平和宣言のメッセージ性やインパクトを強めることができるため,被爆者や大学教授,芸術家等の学識経験者の方々から意見をお伺いし,「市民の声」,オフィスアワー,タウンミーティングなどでいただく多くの意見,さらには平和問題に関する報道,研究など,さまざまな情報を収集し,構想を練り,担当部局と協議しつつ市長が作成する方法をとっております。  この方法は,荒木市長や平岡市長の時代からもとっているものでございまして,今後もこの方法によっていきたいと考えております。  次は,マグサイサイ賞についてでございます。  ラモン・マグサイサイ賞の賞金による基金設立の御提案についてでございますが,公職にある者等が賞金を受けた場合,その賞金を当該選挙区内の者に寄附することは,公職選挙法第199条の2が規定をします「公職の候補者等の寄附の禁止」に当たり,そうした基金を通じた場合も同法に抵触するおそれがございます。  賞金の活用策については,市長も,先日の記者会見において,今後,さまざまな方々と相談しながら決めたいと回答しておられます。  次に,折りヅルに関する質問でございます。  平和記念公園内の原爆の子の像には,国内外から,子供たちを中心に,年間で約1000万羽以上,重さにして約10トン以上の折りヅルが寄せられており,本市では,平成14年度,2002年度から,旧安芸不燃減容センターなど,市の所有します未利用施設を活用して,折りヅルの保存に取り組んでおります。  現在,保存スペースが限られているため,やむを得ず積み重ねて保存をしておりますが,これらの折りヅルの保存につきましては,床面にビニールシートを敷いた上で,ビニール袋で湿気を防ぐなど,できる限り丁寧に保存をしております。  現在行っております「折り鶴の保存・展示」の取り組みにつきましては,原爆の子の像にささげられている折りヅルに込められた平和への祈りや心を象徴的にとらえ,そこにささげられた折りヅルを長期的な保存,展示の対象としております。  平和記念公園やその周辺の河岸緑地帯等には,30数カ所の慰霊碑がございます。8月6日を中心に,その多くに折りヅルがささげられており,その保存や処理などについては,それぞれの管理者が行われております。折りヅルに込められた平和を願う心はいずれも同じであると認識しておりますが,碑の設置者の中には民間の方も含まれることや,折りヅルがささげられている状態に違いがあること等から,現段階では,他の慰霊碑にささげられた折りヅルを保存事業の対象としては考えておりません。
     以上でございます。 ○土井哲男 副議長      こども未来局長。 ◎磯辺省三 こども未来局長  子ども条例について,県教委との関係についてお答えいたします。  子ども条例については,これまで6回にわたり,節目節目で広島県教育委員会に対して説明を行っています。昨年12月に条例素案を公表した際にも,県教育委員会へ説明を行うとともに,同委員会の了承のもとに,条例制定の目的や素案の内容などを記載したパンフレットを市内の県立高等学校へ配布し,条例素案について意見照会を行いました。  しかしながら,先般,8月19日に開催された広島県議会文教委員会で,唐突に,県教育委員会から,条例に関して危惧している旨の発言がありました。  その内容は,本市が新たに作成したパンフレットを県立高等学校へ配布することにより,学校運営に影響を及ぼすおそれがある,条例に基づき設置される子どもの権利擁護委員会が学校に介入し,円滑な学校運営の妨げとなることが懸念される,ということでした。  県教育委員会が危惧している,子どもの権利擁護委員会は,いじめなどの権利侵害から子供を救済するために,第三者的立場で学校と保護者など関係者の話を聞き,調整などを行う機関であり,むしろ円滑な学校運営に資するものであると考えています。  そのため,9月2日に県教育委員会へ出向き,権利擁護委員会は,校則違反等,子供の間違った権利主張を受け入れるものではないこと,また,委員会が行う要請などについては,法的に強制するものではないことなどを含め,委員会の設置の趣旨や役割について改めて説明しました。  これに対し,9月17日に開催された広島県議会文教委員会で,県教育委員会から,条例が拡大解釈されるおそれが払拭できない旨や,パンフレットの配布を承諾すれば,同委員会が条例に賛同しているという誤解を生じさせるおそれがあることから,パンフレットの配布は承諾しないという回答をする方向で考えている旨の発言がありました。  本市としては,再度,県教育委員会に対して説明を行い,子ども条例についての理解が得られるように努めていきたいと考えています。  以上です。 ○土井哲男 副議長      都市活性化局長。 ◎片平靖 都市活性化局長   市政運営のついてのうち,若草町再開発事業についての御質問にお答えいたします。  若草町地区市街地再開発事業の保留床取得資金の貸し付けについては,現在,保留床管理法人の意思決定機関である関係金融機関を中心とした投資委員会から,事業収支計画の検討状況について報告を受けるとともに,貸し付け時の債権債務者間協定の内容等について協議を行っています。  投資委員会としては,ホテルの開業準備やテナントの募集状況等を勘案して,年内には保留床の取得,すなわち貸し付けの実行を予定しております。  まず,保留床の第三者への処分についての御指摘です。  保留床管理法人は,ホテルやテナントの賃料収入から本市や金融機関への長期借入金の償還を行う計画ですが,ホテル等の運営が軌道に乗り,安定的な収入が確保できる状況になった段階で,保留床を第三者に譲渡し,資金の回収を図ることも考えられます。その場合には,本市に対しても貸付金の繰り上げ償還が行われることになっています。  投資委員会としては,保留床管理法人による保留床の取得を確実に実行した上で,将来の第三者への譲渡について,今後とも検討する意向であると聞いています。  次に,テナントの契約状況を踏まえた事業収支計画の策定についてです。  事務所,店舗のテナントについては,本年4月以降,大和システム株式会社にかわり,テナント誘致の専門会社が募集活動を行っております。ホテル名が公表されたことや,再開発ビルの内覧会を実施した結果,入居を検討するテナント候補者も確実に増加しており,現在,契約が確実なものも含め,全体の2分の1程度の区画について具体的な入居条件等の協議を進めていると報告を受けています。  投資委員会では,現在,施設運営経費等の精査を行うとともに,現実的なテナントの契約見込みや,ホテルの開業準備状況等を勘案して,事業収支計画,資金計画の作成を進めています。  次に,本事業の出資者である大和システム株式会社の事業再生ADR手続についてです。  大和システムは,本年6月1日付で,取引先金融機関に債務免除を求める事業再生ADR手続を開始しており,現在,11月12日開催予定の第3回債権者会議において承認を得るため,事業再生計画の策定を進めています。  この事業再生ADR手続は,取引金融機関のみを対象としたもので,本事業に影響を与えるものではありません。また,保留床管理法人は,特別目的会社として倒産隔離されており,大和システムの経営状況が保留床管理法人の運営に影響することはない仕組みとなっています。  本市としては,今後とも,投資委員会との協議を深め,保留床管理法人の事業収支計画等を検証するとともに,本市以外の関係者の出資及び融資が確実に実行されることを確認した上で貸し付けを行う考えです。  なお,今回の貸し付けについては,求償権が生ずるようなものではないと考えております。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    防災と復旧について,まず個人所有のがけ地の災害復旧についてお答えいたします。  個人が所有する土地のがけ崩れは,個人で直していただくのが原則ですが,多額の費用を要する災害復旧工事の実施は,個人では難しい場合があります。このため,本市では,一定の要件を満たす場合に,公共で災害復旧工事を行う制度のほか,個人に対する融資制度を設けています。  しかしながら,がけ崩れを生じた個人所有のがけ地の中には,制度の要件を満たさないとか,融資制度の活用メリットが少ないなどの理由から,こうした制度を活用した復旧工事が行われず,いまだ応急措置のまま放置されている箇所があるのが実情です。  このような箇所すべての復旧を支援することはできませんが,このうち,地域の安全で安心なまちづくりにつながるものについては,一定の基準を設けた上で,何らかの支援をしていく必要があると考えています。  こうした考え方のもと,現在,庁内の関係課で検討会を設け,他都市の事例なども踏まえながら,既存制度の見直しや,新たな助成制度の創設について検討しているところであり,今後,できるだけ早い時期に支援策として取りまとめたいと考えております。  次に,未整備の都市計画道路の区域内にある危険ながけ地の対応についてです。  都市計画道路の中には,現在の厳しい財政状況から,計画決定後,完成までに長い期間を要している路線もあり,この間,がけ地の危険な状況が続くことは問題であると考えています。  未整備の都市計画道路区域内で急傾斜地崩壊対策事業を先行して行うかどうかは,整備した崩壊防止施設をその後に行う道路工事で撤去することになりますので,道路の整備時期やがけ地の危険性,緊急性などを勘案し,判断する必要があります。  今後,このような場所で急傾斜地崩壊対策事業の要望があれば,こうした考え方に基づき対応してまいります。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      下水道局長。 ◎向井政博 下水道局長     防災と復旧についてのお問い合わせのうち,内水はんらんハザードマップについてお答えを申し上げます。  近年頻発している局所的集中豪雨など,下水道の雨水排水能力を上回る雨によって浸水被害が発生している地区においては,浸水対策施設の整備を進める一方で,市民みずからが日ごろから浸水に備えていただくことによって,被害の軽減を図る必要があると考えています。このため,本市では,市民一人一人が浸水の危険度を把握できるように,下水道計画区域内において,過去の浸水箇所などを掲載したパンフレットを作成して公表しております。  また,浸水頻度の高い中心市街地においては,市民にわかりやすい「内水ハザードマップ」を作成し,大雨が降った場合に発生する浸水の想定区域,避難場所,浸水に関する注意事項などを掲載しております。  内水ハザードマップの公表につきましては,ホームページや「ひろしま市民と市政」により広く周知するとともに,下水道局,消防局,関係する区役所や公民館で掲示し,希望される方には区役所等で配布もしております。  今後とも,引き続き市民の皆様に情報提供を行ってまいります。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      消防局長。 ◎高野哲司 消防局長     防災と復旧についてのうち,避難勧告の発令についてお答えいたします。  本市では,災害時における避難勧告は,地域防災計画に従って,区長または消防署長が発令します。  避難勧告は,土砂災害警戒情報や河川の「はん濫警戒情報」が発表された場合などに,気象台等からの今後の降雨情報や水位の予測情報に加えて,現地の状況などを総合的に判断して発令します。  また,避難勧告を発令した場合は,直ちに自主防災組織の会長等へ直接連絡するとともに,防災行政無線による放送,防災情報メールの配信,広報車等による街頭広報,テレビ・ラジオ等のマスコミへの報道依頼などにより,対象区域の住民に伝達することとしています。  避難勧告の発令に当たっては,災害情報や現地の状況を迅速,的確に把握した上で,時機を失することがないよう,引き続き努めてまいります。  また,昨年の兵庫県佐用町等での災害を踏まえ,国は,中央防災会議に「災害時の避難に関する専門調査会」を設置し,避難勧告等の発令基準などの検討を行っています。  本市においても,その検討結果を踏まえ,住民のより安全な避難体制の整備に取り組んでいきます。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      教育長。 ◎濱本康男 教育長      子ども条例について,初めにPTAとの関係という点です。  PTAは,児童生徒の健全な成長を図るため,保護者と教職員によって自主的に組織・運営されております団体でございます。  広島市PTA協議会は,本市教育委員会と連携いたしまして,広島の子供たちの健全な成長に向けて,さまざまな活動に取り組んでいただいておりまして,本市教育に多大な貢献をしている団体であると認識をしております。  教育委員会では,広島市PTA協議会との連携・協力のもと,児童生徒の健全な成長を図ることを目的として,ひろしま型カリキュラムに係る説明会や電子メディアに係る研修会,食育に係る研修会,こういったことを実施するなど,教育行政施策の推進に向けてさまざまな取り組みを進めてきております。  現在,制定に向けて準備が進められております子ども条例は,学校における教育活動を支える基盤を一層強化するとともに,すべての大人が,広島の未来を担う子供たち一人一人の権利を尊重し,健全に育てていこうとする機運をさらに醸成するものと考え,これまで,こども未来局と連携して取り組んでまいりました。  こうしたことから,広島市PTA協議会に対しても,学校での子供の権利に関する取り組みや,条例制定の効果などについて,PTA連絡会など,さまざまな機会をとらえて説明してまいりましたが,PTA役員の方々などの十分な理解を得るまでには至っておりません。  教育委員会では,これまで,教育行政施策の重点として,「人権尊重の意識を高め,一人一人を大切にした教育の推進」,これを掲げて,子供の権利だけでなく,女性や障害のある人などのさまざまな人権について,幅広く総合的に学び,正しく理解するよう,人権尊重の教育を推進してまいりました。  また,各学校におきましても,自分の人権のみならず,他人の人権について正しく理解し,その権利の行使に伴う責任を自覚し,人権を相互に尊重し合うことを目標として,教育活動全体を通じて,組織的,計画的に取り組みを進めてまいりました。  教育委員会としては,子ども条例の基本理念や内容などは,これまで進めてきた取り組みと軌を一にするものと考えておりまして,PTA役員の方々などの理解が得られるよう,引き続き努めてまいります。  次は,金髪などの校則違反をした場合の対応という点です。  校則は,児童生徒が健全な学校生活を送り,よりよく成長していくための行動の指針であり,校則を守るよう指導することは,児童生徒の遵法精神をはぐくむためにも大切なことでございます。また,学校においては,教育目的を達成するために,必要かつ合理的な範囲内で児童生徒等に対し校則を定めることができ,これは学校の責任と判断において決定されるべきものであると,これは,平成6年の当時の文部省通知にも示されております。  議員の御指摘のように,例えば,校則違反の行為をみずからの権利として主張したような場合,学校は,当然,子供に間違いであることを指摘をするとともに,適切な行動やあるべき姿について指導いたします。間違った権利主張をする子供は,こうした指導を通して,社会規範を身につけていくことになります。  条例の素案には,「子どもは,年齢及び発達の段階に応じ,社会の責任ある一員であることを自覚し,自らの権利が尊重されるのと同様に他の者の権利を尊重しなければならない」と定めてあります。  こうした,権利についての正しい理解が浸透すれば,社会のルールや決まり事を守るという意識が醸成され,校則の必要性やそれを守ることの大切さに対する理解が促進されると考えております。  次に,子供が勉強したくないといった,そういった趣旨の意見表明をした場合の対応という点ですが,教育委員会では,これまで,先ほどの平成6年当時の文部省通知などを踏まえまして,各学校において,道徳の時間はもとより,教育活動全体を通じて,児童の権利に関する条約の趣旨及び内容などについて周知徹底を図るよう,指導に努めてまいりました。  また,この通知には,条約に掲げられている意見の表明をする権利について,次のように示されております。  すなわち,表明された児童生徒の意見が,その年齢や成熟の度合いによって相応に考慮されるべきという理念を一般的に定めたものであり,必ず反映されるということまでをも求めているものではないと,こういうものでございます。  各学校では,こうした考え方に基づき,仮に,児童生徒が,勉強がしたくないといったようなことを教師に訴えた場合は,その発言に至った事情などを受けとめた上で,学習することの大切さや正しい権利の内容などについて指導することになります。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      三宅正明議員。 ◆3番(三宅正明議員) ありがとうございます,フルネームで呼んでいただきまして。  長い答弁をいただきましたんで,時間がありませんから,何点かざざっと聞きます。  まず,オリンピックについてですが,私は,ふさわしいかふさわしくないかを検討したんかなあということを聞きたかったんですけど,その話はもう既に終わって,できるかできないかということを検討しているので,ふさわしいかふさわしくないかというのは,もう終わった話ということですか。  今現在のオリンピックを見る限りにおいては,政治的な色合いであったりとか商業的な色合いが非常に強くて,市長のおっしゃる,核兵器がなくなったお祝いのイベントとして果たしてふさわしいかどうか,私は考えますが,どう思われますでしょうか。  さらに言えば,この3月,再議をかけられた際に,これはこの時点で予算を認めていただかないと,これは間に合わないんだと,時間が足りないんですというふうにおっしゃられました。時間が足りない中でやるんですから,それに対して市長も責任をとられるとおっしゃられたわけですから,当然,それに対してのアクションがあってしかるべきだと思いますが,よもや,検討委員会だけにやらせておいて,あとはその検討報告を聞いて待つばかりなりということではないとは思いますけれども,そうであるならば説明をしていただければと思います。  次に,若草町再開発について。  ホテル・ビジネス棟の今現在の入居率は,話だけで2分の1前後来ておるというような御発言があったと思います。2分の1,話が来てるだけですよね。成約したわけではありませんね。成約されてないものは,まだ決まってないわけですよ。ですから,それは1年目の契約として,売り上げが確定しているということではないはずなんです,話が来ているというだけで。それは希望的観測。希望的観測に税金40億ぶち込んでいくことが,果たして正しいか。予算は決めましたけれども,執行するかしないかは当局が考えればいいことですから,それはどのように考えられるか,お考えをお聞かせください。  次に,平和行政について,平和宣言。  先ほど,局長の方から,平和宣言の「運が良かった」というのは,実際そういうことがあったんだということをるる説明されました。しかし,平和宣言の中には,それらの説明は書いてありません。しかも,多くの人は,あれは耳から聞くだけです。そういう説明をしなければわからないような文章を書く方が間違ってるんじゃないですか。もしそれが,ちゃんと,説明書が要るんだったら,例えば,小学生や中学生に読ますときに,その小学生や中学生もわかるような説明書まで全部用意しなきゃいけないじゃないですか。それらはやられてるんでしょうか,お聞かせください。  次に,折りヅルについて。  原爆の子の像にある折りヅルとその他慰霊碑にある折りヅルは違うんだということを,私はこれを調べて初めて知りました。広島市は,ちゃんと折りヅルを全部保管してるんだろうなとずっと考えてましたけど,そうではなかったというふうなことを思ったときに,それぞれの慰霊碑にはそれぞれの思いがあって,それぞれ平和の思いを伝えて折りヅルをささげてらっしゃる方ですよね。それらには差はないはずなんですけど。  原爆の子の像は雨にぬれないように屋根をしているから,それは保存しやすいけども,あとはそのまま野ざらしになって,汚いから保存できないということであれば,それはちょっと問題じゃないですか。どういうふうにお考えなされるでしょうか,お答えください。  次に,子ども条例について。  先ほど,こども未来局長が言われましたね,唐突に県教委がこういうことを言ってきたんだというふうにおっしゃられました。唐突にこういうことを言ってきますかね。広島市は,別に,子ども条例,今,つくるかなあ,どうかなあって検討し始めたわけじゃなくて,もう3年も前からやってますけど。当然,県教委とは,18歳までを対象とするわけですから,それ以前から話をされてたはずなんですが,ここに来て,唐突に言われたと言われても,何をやられてたんですか,今まで。それは,どういう意味で唐突にやられたのかをお聞かせください。  さらに,権利擁護委員会は,全く学校の運営には支障がないというふうにおっしゃられましたが,子供にとってはそうかもしれませんが,子供をだしに使う,周りはそれを悪用する可能性もあるかもしれません。それらについてはどのようにお考えかお聞かせください。  最後に,教育長が言われましたPTAの関係ですね。  PTAの関係は,理解が得られるように努力をする,と言われました。理解が得られなかった場合はどうされるんですか。理解が得られるまでずっと根気よく,ずっとお話をされるんでしょうか,お答えをいただければと思います。  最後の質問は,なぜ子供は勉強をしなければいけないのかということにお答えくださいというふうに,私,言いましたら,何か文部省の通知を読まれて,いろいろ,権利があって,学ぶ義務があって云々かんぬんというようなことを言われておりましたが,私はそんなことが聞きたいわけではありません。  実際の現場で,子供たちが,教師に向かって,親に向かって,先生,どうして勉強せにゃいけんのんや,と聞かれたときに答えられんような教育委員会じゃつまらんでしょう。何でそれが答えられんのか僕にはわかりませんけれども,そういった明確な答えがないのに,子供の権利や,あるいは道徳の時間でそういうことを教えることによって,どういうことが巻き起こるだろうかということは,普通考えて,多くの方々が,施策の効果を今まで何十年にもわたって,ここにお座りの皆さんは,常に費用対効果や成果をずっとやり続けた方々しか座ってませんが,これをやったらどういう影響があるかを全く考えないということはあり得ません。  先ほど言わせていただきましたデメリットのことについても,県教委が指摘されているデメリットは,広島市はそういうことはないというふうに確実に言い切れるのでしょうか。そのことについてもお聞かせいただいて,何点質問したかわかりませんが,御答弁をお願いします。 ○土井哲男 副議長      市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     数点の御質問にお答えいたします。  まず,オリンピックの関係ですけれども,基本方針等でこれまで広島らしいということを提案してきておりまして,それを説明していくことで,そういった理解がだんだん深まってきているというふうに思っております。  それと,これまでも,市長も何人かの委員に会われておりますが,これまでも,なかなかオリンピック自体が早々に変わるというのは難しいというような意見も聞いております。  それと,平和宣言につきましては,「「平和宣言」を読む」という解説をつくりまして,いろんな言葉なり,あるいはその考え方なりを説明する冊子をつくって説明をいたしております。
     それと,折りヅルにつきましては,単に保管の形態が違うからということではなくて,要は,先ほど言いましたように,民間等で,その目的を持った碑へささげること自体が目的といいますか,そういうことを考えていらっしゃる方がおりますので,そういった意味で,特に差はございませんが,今,象徴であります原爆の子の像に届けられているものについて,今,保管,展示をしようというふうに考えているわけでございます。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      こども未来局長。 ◎磯辺省三 こども未来局長  子ども条例を悪用された場合どうするのかというふうな質問ですけども,子供に対する正しい指導は,これは権利侵害には当たりませんので,権利擁護委員会があることで難しくなるというふうなことはございません。  もう1件,唐突に,という御質問ですけども,これは,これまで6回ほど県の教育委員会に対して説明をしてきました。そのときは,条例については,特段そういった問題点というようなことは聞いておりません。  そういったことで,今回初めてそういう,パンフレットに対して危惧しているということで,唐突という表現を使いました。  以上です。 ○土井哲男 副議長      都市活性化局長。 ◎片平靖 都市活性化局長   若草町地区市街地再開発事業のホテル・ビジネス棟の事務所,店舗のテナントの,今のリーシングの状況ですが,先ほど御答弁申し上げましたようなことですが,現在,契約が確実なものも含め,全体の2分の1程度の区画について具体的な入居条件等の協議を進めているということでございます。  ただ,投資委員会では,現在,施設運営経費,経費の方の精査も行うとともに,現実的なこのテナントの契約見込みや,それから,ホテルの開業準備状況等も勘案して,事業収支計画,資金計画の作成を進めております。  この事業収支計画について,市としては,十分検証するとともに,本市以外の関係者の出資及び融資が確実に実行されることを確認した上で,貸し付けの手続を進める考えでございます。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      教育長。 ◎濱本康男 教育長      3点についてお答えいたします。  まず,PTAとの関係で,理解が得られなければどうするのかというところですが,今の時点では,PTA協議会の役員の方の十分な御理解をいただけるだけの,まだ我々にも決め切れてない詳細な部分もございますので,そういったところを具体的に早く決めた上で,さらに理解をいただけるように説明を尽くしてまいりたいと思います。  それから,なぜ勉強しなければいけないのか,その教育の目的についてどう認識をしているのかというような趣旨かと思いますが,これは,教育基本法や学校教育法にも,義務教育は,特に普通教育の目的が定まっておりまして,例えばこれは「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い,また,国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養う」と,これが教育の目的であるということになっておりますので,私ども教育委員会もその線に沿ってこれまでも取り組んでおりますし,これからも取り組むということでございます。  それから,県教委の懸念がないということが言い切れるのかということですが,県教委の懸念の内容は,私も具体的に県教委とやりとりしているわけではありませんので新聞報道等を通じて知る限りですけれども,例えば権利擁護委員会の運用・運営,そういったことについて,まだ十分な説明材料はないということも一つその背景にあるのではないかと思いますので,そういったことをきちんとすれば,懸念は払拭できるのではないかと。  市教委については,少なくとも,これまでかなり学校長会等で議論をしておりますので,今,県が言っておられるようなことについては,我々の中では,今,議論はもうしておりません。終わったものと思っております。  以上です。 ○土井哲男 副議長      三宅正明議員。 ◆3番(三宅正明議員) 済みません,時間が少し延びてますけど,2回の権利をちょっとだけ使わせてください。  どこまで行ってもすれ違い答弁ですから,ちょっと何個かに絞ってもう一度聞きます。  まず,若草町の件ですね。  先ほども申されたように,2分の1,入居をね,入るように,今,一生懸命やっていらっしゃいますよということで御答弁されましたけれども,それは確実かどうかわからないじゃないですかと私は聞いたんですよ。それについては,リーシングの状況をというふうに言われてますけども,それはどうなるかわからないというお答えですよね。  先ほど言われたのは,事業計画書の中にある経費の部分についても,詳細に検討し直しているということを言われました。ということは,あの若草町の事業計画書は,まだ経費はたたけたということですか。  普通,事業計画書をつくるときには,その事業にどれぐらいの経費がかかるかということを積み上げてから事業計画書をつくるんですよ。売り上げからつくる事業計画書はないんです。これだけの人件費とこれだけの経費がかかるからということで,事業計画をつくっていきますよね。その上に,今の社会状況とか広島の市況の問題とか,いろいろ勘案して,これぐらいの売り上げで1年目は行けるかなということで,事業計画書というのは市に提出されたんではないのですか。  ということは,今また,変わってきたんです変わってきたんです,というような,そんな状況のところにお金を入れていって,執行して,そりゃあ確かに,今おっしゃられたように,例えば銀行とかその他の債権者がそれを実行したのを見計らって入れるんですって言われましたけど,果たしてそんなことが本当に可能かどうかも怪しいもんでございます。ですから,それらのことはちゃんと説明をぜひしていただきたいと思います。  さらに,あと,教育長がおっしゃられましたね。学校教育法とか教育基本法に載っている教育の目的を,小学生に,例えば中学生に,それを持ち出して学校の現場で,いやいや学校教育法ではこういう目的だから君たちは勉強しなくちゃいけないんだと聞いて,だれがわかるんでしょうか。  例えば,先ほどからずっとおっしゃられてますね,文部省の通知がこうあるから,校則の方が上に来るんですよと,子ども条例で意見表明しても,校則の方が上にくるんですよと。それ,紙でしょう。学校の現場でそれやられたらどうなるかってことは,想像しませんか。  私は議員ですから,皆さんと違う現状認識で質問をしています。皆さんは皆さんの現状認識で,自分のことを言ってますね。ということは,こちらがそういうことを心配してお聞きしてるわけですから,自分たちの現状認識だけですべての答えを出していけば,どこまで行っても答弁は変わらないでしょう。そりゃあ,それをやったらどうなるかといったら,PTAの,例えば役員の方々で,今それを反対されている方々からすると,何ぼやっても話は尽きませんよ。どうやって御理解を得るんです。最後は強行にやるんですか。そのようなことがあっては,私はいけないと思いますけれども。  最後にですね,若草町と子ども条例のことだけお聞きして,私の再質問を終わります。 ○土井哲男 副議長      都市活性化局長。 ◎片平靖 都市活性化局長   テナントの入居,それから今の協議状況については,先ほど御答弁したとおりですので省略いたします。言われますように,まだ全部が確実ではないじゃないかという御指摘はそのとおりでございます。  それらを踏まえて,現在,投資委員会で事業収支計画,それから資金計画の作成を進めておりまして,市としては,この事業収支計画等の妥当性について,出資者,それから融資者全員が了解し,確認して,またその融資,出資の実行が確認された上で,市として貸し付けの手続を進めていくという考えでございます。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      教育長。 ◎濱本康男 教育長      先ほど,学校教育法を引用して御説明いたしました。学校現場では,わかりやすく言えば,子供たちによりよく生きる力を身につけさせる教育ということで,子供たちには教えておると思います。  PTAと教育委員会が,何か,あたかも対立をしているかのような構図をおつくりになって質問されるわけですが,実際に,教育委員会とPTAはそこまで対立しているわけではなくて,子ども条例について,一部まだ見解の一致を見てないということは,事実,ございます。そこの溝を,具体的に説明をすることで,強行するとかしないとかという,結論ありきの話ではなくて,まずはお互いの認識の溝を埋める努力をしようということで,今,努力をしているところでございますので,そう意味では,少しまだ時間をいただくかもわかりませんが,今,その努力を一生懸命やっておるところでございます。 ○土井哲男 副議長      次に,12番今田良治議員。                〔12番今田良治議員登壇〕(拍手) ◆12番(今田良治議員) 爽志会の今田良治です。本日は,会派を代表して,広島市政の課題並びに秋葉市長の政治方針について質問させていただきます。秋葉市長を初め,理事者の皆さんの真摯な御答弁を切に望むところであります。  そこで,まず初めに,今回,議案が提出され,議論ができると楽しみにしておりましたオリンピック招致検討について質問いたします。  民主主義社会において最も警戒しなくてはならないのは,大衆を操り,民意を至上のものとしたポピュリズム化した社会が,ある企てを持った方向に全体をからめ捕っていこうとする雰囲気が見られたときだと言われております。  それは,だれもが異論を唱えられないような言葉を繰り返し表現し,次にマスメディアを利用して,ある一定の民意を形づくる。その後,民意を絶対のものとして祭り上げると同時に,詳細な説明を加えることなく,時間の経過を待ち,それがあたかも全体の意向であるかのような雰囲気を醸成させる。ここまで来ると,議論の余地はなく,意見を述べる者は異端児の扱いを受けることになるのです。特に,日本人は,何千年も島国で暮らしてきたこともあり,集団への同調をとうとぶ傾向にあることからも,気質としてこのような全体主義的な傾向に陥りやすいと考えられています。古くは,太平洋戦争へ向かう昭和10年代の日本であり,ヒトラーがあらわれたときのドイツであります。最近では,郵政選挙を断行した小泉政権もその傾向にあったものと思われます。  そこで気になるのが,これまでのオリンピック招致の進め方であります。  秋葉市長は,突然に,いや唐突に,2020年のオリンピック招致を持ち出されました。本人にとっては,熟慮の上かとは思いますが,市民も議会も突然に受けとめざるを得なかったのであります。それは,平和の祭典として長崎市との共催を目指し,2020年が被爆75周年に当たり,核兵器廃絶の目標でもあるということで開催を打ち上げられたものでした。  大半の市民にとって,実現可能性はともかくも,オリンピックが広島で行われることを反対する理由は存在しません。その上,平和の祭典を開催理念として前面に掲げられては,異論を唱えられる余地は全くなかったと言えます。この時点で,実現の可能性やその中身には全く触れられていなかったため,オリンピックの持つ好感度の高いイメージだけが先行し,市民であれ,議会であれ,オリンピック招致反対を声にすれば,反平和主義者の烙印を押されそうな雰囲気ができ上がっていきました。  さらに,マスメディアも鋭く反応し,直前には,東京が開催理念に乏しいとの理由から2016年の招致を失敗していたこともあり,平和の祭典としての開催理念をてこに,大きく取り上げられることになりました。  その後,長崎市との共催は断念せざるを得なくなりましたが,秋葉市長は,周辺自治体への開催協力や招致活動の協力要請を精力的に行われておられます。市長の積極的な姿勢が功を奏し,既に招致応援自治体が170を超えるほどの盛況ぶりであります。  このように,これまでの秋葉市長の進め方は,驚かされるばかりであります。  確かに,オリンピック招致における理念の構築と申しますか,平和の祭典と核兵器廃絶を結びつけるコンセプトのよさから,多くの自治体の賛意を取りつけることには大成功であったと思います。さすが秋葉市長であります。  ところが,これまで,広島市民の意思はどのように反映されてきたのでしょうか。どのような形でお聞きいただいてきたのでしょうか。私もそうですが,私の周りの市民の方も,何か置いてけぼりにされているような感じを受けております。100万人署名運動がネットで全国展開されておりますが,これもまた広島市民の声とは思えません。数の多さには一見驚かされますが,数の多さの割には,広島市民で署名をされたという方の話を聞かないのは不思議な気がいたします。何か,広島市民が,ある方向に背中を押されているような不快感さえ覚えるのは,私だけでしょうか。  初めに申し上げましたが,オリンピックの招致,平和の祭典,核兵器廃絶という言葉が並べば,大多数の方が賛意を示されるのは必然であります。  しかしながら,これからの招致活動や開催のすべてにおいて,その責務を負うのは広島市民であります。財源も施設のあり方も,他の自治体との将来の関係においても,すべてその責務を負うのは広島市民であります。広島市議会もまた大きな責務を負うわけでありますが,これまでのところ,市民に対しても議会に対しても,余りに説明が少ないような気がいたします。  これだけたくさんの自治体の首長さんから応援を受け,また多くの国民の方から期待をかけられてくると,広島市民は「できません」とか「ノー」とかの表意をしづらくなり,求められる判断に支障を来しかねません。  この4月にオリンピック開催基本方針が発表されましたが,この中身は,基本方針とはいうものの,耳ざわりのよい言葉や片仮名表現が目立ち,全く具体性に欠けております。これでは,オリンピック開催の実現可能性や,広島市民がこれから,またその先の将来にまで負わなければならない責務が何なのかを判断することができません。  長崎市長との共同記者会見から,もうじき1年が過ぎようとしております。また,広島市長の任期も,あと半年しかありません。早急に具体的な計画案を提出していただき,大いに議論をして,広島市民が納得した上で招致活動をされてはどうでしょうか。これまでのように,周辺の動きばかりが際立つのは余りよい傾向ではないと思います。  そこで質問をいたします。  これまで述べてまいりましたように,市議会並びに市民が,その責務を認識し,大いに議論ができるような具体的な計画案が示されるのはいつになるのでしょうか。それが今後の議論の原点でありますから,明確に教えていただきたいと思います。  また,招致活動を正式に決定するとなれば,広島市にとって大変大きな決断となりますが,今後の広島市議会における意思決定手順並びにそのスケジュールを,市長任期を勘案の上,詳細にお示しください。  続いて,広島市の経済活性化対策についてお尋ねいたします。  皆様御存じのように,広島経済全体では,ひところ,輸出関連企業が,中国を中心とする海外の需要の増大により,景気のよさを示しておりましたが,ここのところの円高のあおりを受けて,収益が激減しそうであります。頼みの輸出もだめとなれば,日本経済全体は下降曲線に入っていくことになります。国民とすれば,日銀や国による早急の円高対策,経済対策を切に望むところであります。  地方経済に目を向けてみますと,状況はさらに深刻で,特に人口減少の多い自治体では,企業や雇用の確保が難しく,さらなる就労年齢者の流出を生むという悪循環を示しております。とはいえ,落ち込みも少なく,着実な経済運営を進められている自治体も数多く見受けられます。それらの多くは,中長期ビジョンを持って,経済活性化策を積極的に展開されておられます。  一方,広島の経済状況はどうかと申しますと,最悪だ,とおっしゃる市民の声が多いことに大変驚かされます。ここにおられる議員の方々も,同様のお話をたくさんお聞きになっておられるのではないでしょうか。広島市では,多くの業種において,その落ち込みは顕著であり,連鎖的に衰退しているように思われます。  最近,町の広告看板に,広告物のない真っ白な看板が目立つようになってきています。広島駅前に行かれれば,すぐにわかると思います。これは,経費節減のために広告を掲載する企業が減少していることもあるけれども,と同時に,広島市の都市としての魅力とか経済力の低下によって,広告価値が著しく減少しているととらえるべきであります。昨年度より,広島駅の近くに新球場が完成し,多くの来場者や観光客が見込める場所ですら,このようなありさまです。  私は,議会においても,機会あるごとに,広島市の経済の活性化を訴えてきたつもりであります。また,ささいなことではあるかもしれませんが,農産物に限らず,工業生産物についても,企業活動においても,また人的資源においても,すべての広島製産品の積極的な地産地消の提案をいたしました。  その際,市長は,提案に賛同していただくとともに,地産地消キャンペーンの開催など,広く市民に呼びかける,とお答えいただきました。さらに,経済局長からも,PR活動の推進と公共事業などにおいて,広島製産品の使用を契約に盛り込めるよう,関係部局と検討する,ともお答えいただきました。  その後,市長を初め関係部局において,積極的な活動や検討,業務運営がなされたに違いないと思いますが,残念ながら,一向にはかばかしい成果が聞こえてまいりません。私が知らないだけかもしれませんが,質問させていただきます。  市長や局長に御答弁いただいて以降,キャンペーンやPR活動の効果はどうだったのか教えてください。  また,公共事業などにおいて,広島製産品の使用を促す取り組みはどのようになっていますか。また,その実績はどんな状況になっていますか。さらに,今後どのぐらいまで拡大される可能性があるのか教えていただきたいと思います。  続いてもう1点,広島市経済の活性化の観点から,広島市の行政活動や公共事業における物品購入や業務及び工事の発注について考えてみたいと思います。  まずは,広島市の行政活動や公共事業における事務用品を初めとするさまざまな物品の購入や業務及び工事における対象事業者に関する提案であります。  現在,入札により事業者を選定しておりますが,入札される対象事業者の範囲を広島市域等に限定することなく広げれば,その分,価格の低下が見込まれます。しかしながら,広島市内の事業者以外が落札されるケースがふえてしまい,広島市が支出した費用が,即刻,広島市内を抜け出てしまいます。地域経済の拡大は,いかに資金を地域内に呼び込むかと同時に,いかにして地域内に資金をとどまらせ循環させるかであります。それを市外事業者が落札した瞬間に,その支払われたお金は循環させることができなくなります。それでは地域経済の活性化につながりません。一見,低価格で購入した方が,目先,得をしているように見えますが,地域の経済効果として,また税収増の観点から考えると,結果的には決して得にはなりません。  そこで,地産地消の考え方を持ち込んでくるとすれば,できるだけ地域内の事業者を対象とした入札に移行させるべきだと思います。早急に,区域条件の金額設定を緩和して,区域内対象及び市域内対象の入札案件をふやし,地域の活性化につなげようではありませんか。この点について,早急に改善することは容易だと思われますが,どのようにお考えでしょうか,お示しください。  次に,工事を中心とする入札制度の運用について,経済活性化の観点から伺います。  現在,広島市が発注される公共工事等の入札において,調査基準価格を下回る入札,いわゆる低入札が頻繁に起こっているとお聞きしました。データを持ち合わせておりませんので,定かではありませんが,国や県が発注される入札に比べて多いとお聞きしましたが,その点についてもわかれば教えてほしいと思います。  ところで,ここで低入札を問題視している点は,その運用実態であります。工事等の入札に際しては,本来,標準的な施工をすれば必要とされる費用を積算し,予定価格として公表されています。そこから,それぞれの企業努力により,より低価格での事業の実現を約束した者と契約することとなります。しかしながら,ほうっておけば,資金繰りなどの理由から,とにかく受注の機会を得るために,低価格での投げ売り,いわゆるダンピングに走りかねません。ですから,安ければよいのだということにはならないのです。  低入札が横行すれば,下請業者への過度のしわ寄せが起こり,そのツケはさらに弱者へ押しつけられます。また,本来の経済活動をゆがめることですから,健全な企業を理不尽な危険にさらすことになりかねません。それは,地域経済の活性化にとって大きなマイナスとなります。そのため,この価格を下回った場合は,健全な事業の実現が困難になることが想定される価格,つまり調査基準価格を設定し,その価格を下回る低入札者に対し,真に健全な事業の実現の可能性を備えているかを調査する義務を,発注者は有することになります。  実は,私はこの点を危惧しているのであります。現在,建設業界を初め,いろいろな業界で,広島市の発注は低入札でしか落札できないというのが定説になっているようです。特に,建設業界は顕著で,広島市の低入札価格調査は非常に緩く,それで失格となることはないらしく,数値的判断基準と言われる最低限の数値さえ守っておれば合格するのだそうであります。もしこれが事実であれば,健全な経済活動が大きくゆがめられていることになります。また,現行の入札制度の趣旨から逸脱した運用と言わざるを得ません。  ここで,実態を把握するために質問いたします。  広島市が発注された工事や業務において,低入札で落札された件数は何件で,全体に占める割合は何%でしょうか。大まかな発注金額ごとにまとめてお示しください。  また,低入札で入札されたもののうち,数値的判断基準ではなく低入札価格調査によって失格となった件数は何件かも,これも同様に大まかな発注金額ごとにまとめてお示しください。  さらに,財政局では,低入札の際の調査について,どのように指導し,これまでの調査の実態をどの程度把握しているのか,明快にお答えください。  それでは,次の案件に参ります。  近年,国においても,地方においても,地方分権についての議論が盛んに行われております。特に,昨年の政権交代以降,地方分権の一つの手法として,補助金制度を改めて,一括交付金制度に切りかえるという案が検討されております。さきの民主党代表選挙においても,このことに関して議論されていたのは記憶に新しいところであります。  一括交付金は,ひもつきとやゆされる補助金と違い,その使途については,交付を受けた自治体みずからが決定し,その責任を負うものであります。この考えは,自治体の自主性を拡充するとともに,それぞれの自治体によって必要とされる予算の内容の違いに柔軟に対応しようとするものであります。  例えば,小学校の新設を計画している自治体が,補助金の要望を行ったものの,国の予算編成の段階で学校新設の補助金の予算が縮小されれば,補助金を受けられなくなります。たとえ,ほかの補助金制度に潤沢な予算があったとしても認められないのです。ところが,一括交付金であれば,自治体が,その時点で最も必要とされる事業から,自分の責務において優先順位をつけ,確実に実現することができるようになります。  それぞれの自治体は,気候も面積も歴史も人口も文化も違う固有の条件を有しております。とすれば,その固有の条件に最も適合した予算の使い道は,自治体みずからが判断されるのがより合理的ではないかと思われます。  ここで,広島市の予算に目を転じてみますと,区役所の予算でありますが,これは国の補助金制度と同様のシステムで行われています。各区役所は,それぞれ事業種別ごとに,統括する本庁の当該部局に予算要求をいたします。当該部局は,事業種別ごとに予算配分することから,ともすれば各区のバランスに配慮した予算配分を心がけてしまいがちになります。  同じ広島市とはいえ,それぞれの区によって市民が求めているものにはかなりの違いがあります。中区などの旧市域では,新たな幹線道路整備の必要性は低いと思われますが,安佐北区などの新市域では,幹線道路,生活道路の整備がおくれており,予算の重点配分が必要となります。このほかにも,コミュニティー活動の違いであるとか,医療体制の違い,公園整備の違い,予想される災害の種別の違いなどなど,あらゆるものの違いが想定されます。当然に,区民による要望にも違いが出てまいります。  そこで,区の特性や求められる要望の違いに最も適合した行政を展開するためには,区役所の自主性を拡充するとともに,予算配分の段階で各区の独自性にも配慮することが必要となります。とはいえ,一括交付金制度のようなシステムをいきなり持ち込むことはできません。そうすれば,混乱を招くだけであります。仮に,国が制度移行を行ったとしても,現状では,導入に時間を要すると思います。ただ,一括交付金制度の思想は,区役所の自主性を拡充するためには大事なことだと考えます。  そこで,一つの提案でありますが,区役所の予算に,使途を区役所で決められる交付金の枠を設けるわけにはいかないでしょうか。そうすれば,区役所の独自性も発揮されるでしょうし,自主性も養われることにつながるのではないでしょうか。導入に当たっては,システムの構築であったり,設定する金額の大小であったりと,検討すべき事柄も多くありますが,市長の決断一つで実行に移せると思います。  区役所ができて30年になります。その間,八区覧会の開催など,区役所の自主性の構築に努力されている市長ですから,いま一歩踏み出してもらい,予算面からの自主性の拡充を図ってください。  それでは,予算面からの区役所の自主性の拡充について,私の提案を踏まえ,市長のお考えをお聞かせください。  では,最後に,先ほども少し触れましたが,安佐北区では幹線道路,生活道路ともに整備がおくれております。また,災害復旧も終わっていない箇所もございます。来年度予算においては,ぜひこの点に重点配分していただくようお願い申し上げます。  次に,JR可部線の電化延伸について質問します。  今までに何度か質問させていただきましたが,地域の皆さんの期待は大きいものがあり,可部線を生活の軸としてとらえ,さまざまな活動に取り組んでこられました。駅を活用したまちづくりでは,ことしも,地域の皆さんと,和歌山県の「駅長たま」ちゃんの町も視察し,活性化の勉強をさせていただいたところです。引き続いて,利用促進策として,元気なまちづくりに取り組み,太田川の清流を活用したイベント,歴史的資産を使ったイベント,駅前広場の駅舎の清掃等地元ボランティア活動等々,年間を通じてさまざまな活動を実施しています。  さて,可部線の輸送改善について,一昨年9月にJR可部線活性化協議会が設置され,本年2月26日に可部線以北の電化延伸等の計画が盛り込まれている,JR可部線活性化連携計画が策定されました。本年度は,JR西日本において,可部駅以北の電化延伸事業について検討中とのことですが,可部線の電化延伸は,広島都市圏北部の公共輸送の機能強化として重要と思いますが,今後,市はどのように取り組んでいくのでしょうか,お聞かせください。  また,現在の検討状況と今後の見通しはどのようになっているのですか。  さらに,事業に着手するまでにどのような手続が必要になるのでしょうか。
     先ほども一部申し上げましたが,可部線の電化延伸については,実現に向けて,地元住民は,千客万来事業など,さまざまな利用促進策に取り組んでいます。市が策定したJR可部線活性化連携計画の中にも,さまざまな利用促進策が盛り込まれていますが,8月29日の中国新聞に,広島駅と尾道駅との間で,自転車をばらさずに車内に持ち込めるサイクルトレインの記事が載っていました。自転車ブームも手伝ってか,全国でも同様の取り組みがあります。太田川上流部の河川沿いや旧街道をめぐるサイクリングツアーを企画すれば,可部線の利用促進や町おこしにもつながると思います。  そこで,可部線において,サイクルトレインの導入を検討してはいかがでしょうか,お尋ねします。  最後になりますが,地域で大きな話題になっている有害鳥獣被害対策についてお聞きします。  有害鳥獣については,今,私たちには,何も有効な対策の施しようがないのが現状です。例えれば,自分の敷地内に,さらに家の中に泥棒が入ってきても,手の施しようがなく,ただ見ているだけという状況だと言われております。  広島市の指導で,私たちは,対策として,電気さく,防護網を張って作物を守りました。里山整備をすれば,身を隠す場所がないので効果があるとも聞きました。ことしは,白いテープを取りつけると効果があると聞き,それも実施しましたが,対策になったでしょうか。  下関では,先日,イノシシに突かれて亡くなられた方がありました。湯来町では,被害にたまりかねた方でしょうか,くくりわなにクマがかかり,無免許,猟期外等で逮捕との記事がありました。いかに我慢強いお百姓さんでも,指導される対策で効果がないとすれば,作物をつくる根気がうせて,耕作放棄地がふえて当然と思われます。  そこで,当然,自己防衛には取り組まなければなりませんが,ふえすぎた個体数を減らすことを主眼に対策をお願いしたいと思います。  一つは,禁猟区域,狩猟期間,わな,銃の使用,流通体系等のことを含め,法律が壁になっている問題について,現状を調査し,不備な法律であれば,早急に改正,改善をお願いしたいと思います。  なぜなら,猟友会の動きとして,昼間は,山に潜みどこにいるかわからない動物を探し,一方,夜間は,たくさん出没している動物を捕獲できないのは合理的でないと思われます。動物には,山にいる間は安全だけど,里に出ると危険だとわからせるべきだと思います。  二つ目は,補助金についてです。  1種類だけの対策でなく,複合的な予防が可能になるよう,配慮をお願いします。  ところで,先日,区役所とのやりとりの中で,こんなことがありました。  シカが,民地である畑で死んでおりました。相談しましたところ,網にかかって生きとる間は役所が処理するが,死んだものなので土地の所有者が処理しなければならない。大きな角があり,乗用車にはとても入る代物ではありません。以前は,地域の大八車がありましたので,運搬はできたでしょうが,今,運搬する手段がありません。そのうち,腐乱がどんどん進み,はえがたかり,においが充満しました。これは,住宅地の中の畑の出来事です。このようなことについても考えていかないといけないのではないでしょうか。  そこで質問しますが,広島市は無策と言われないためにも,これからの有効な有害鳥獣の被害対策としての方向性を述べていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○土井哲男 副議長      市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       今田議員の御質問にお答え申し上げます。  JR可部線についての御質問がございました。  近年,地球温暖化・エネルギー問題の深刻化や急速な高齢化の進展などに対応するため,過度に依存しているマイカーから公共交通への転換が求められるなど,交通を取り巻く社会環境は大きく変化しています。  現在,国においては,すべての地域住民が健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な,いわゆる移動権を保障することを目的として,交通基本法の制定に向けた検討がなされており,地域の生活交通の確保の観点からも,公共交通機能の充実・強化が重要な政策課題となっています。  このような,交通を取り巻く社会環境の変化や,国の交通政策の動向などを踏まえ,本市では,交通体系の軸足を公共交通へシフトさせることを目指し,本年7月に,これからのおおむね10年間に取り組む交通施策などを盛り込んだ,広島市総合交通戦略を策定しました。  この戦略の策定過程において,JR可部線については,本市の北部方面の公共交通の軸として,地域住民の移動手段の確保のみならず,安全で安心な交通サービスの提供や,沿線住民の交流による地域の活性化への貢献など,多様な役割を担っていることが確認されました。このため,電化延伸を初めとする輸送改善について,この戦略の中で重点的に取り組む施策として位置づけました。  一方,地元住民で構成されている可部駅・河戸駅間電化促進期成同盟会においては,平成15年,2003年の可部・三段峡間の可部線廃止後も,電化延伸の早期実現と利用促進に向けた活動を活発に展開されてきました。具体的には,本市とJR西日本に対する要望活動や,沿線住民への広報,地方鉄道における活性化の成功事例の視察,可部地区の歴史的な施設などを紹介したマップの作成,地域の特産品づくり,沿線の花植えや清掃,JR可部線を利用したプロ野球観戦ツアーの企画などのまちづくり活動が行われてきました。  さらに,平成19年度,2007年度に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が施行され,国の補助制度が検討された結果,平成21年度,2009年度から,法定協議会を通じて,JRに対し,新線建設の助成が可能となりました。  このように,地元住民の熱心な活動が続く中で,国の補助制度の創設の見通しが得られるなど,電化延伸の整備環境が整ってきたことから,平成20年,2008年9月にJR西日本,関係バス事業者,本市等で構成する法定協議会を設置しました。  その後,JR可部線の活性化に向けた検討を進め,本年2月に,電化延伸を初めとするJR可部線の輸送改善のためのハード施策や利用促進のためのソフト施策などを盛り込んだ,JR可部線活性化連携計画を策定したところでございます。  JR可部線の電化延伸のように,JRが,一たん廃止した路線を復活するのは,全国初の取り組みです。本市では,地域交通の活性化のモデル事業となるよう,今後とも,JR西日本と緊密に連携し,電化延伸の早期実現に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えています。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○土井哲男 副議長      企画総務局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局長   区役所の予算配分と自主性についての御質問にお答えいたします。  区役所の予算については,区の実情に応じて区役所が主体的に予算執行できるよう,まちづくり推進費や,道路,公園,交通安全施設の整備等に充てる一般整備・一般補修費を措置しております。  また,本年度,区役所が主体的に運用することのできる,まちづくり活動助成制度を創設し,予算面から,区役所の自主性の拡充を図っております。  今後とも,区役所が,地域の行政需要に適切に対応することができるよう,議員の御提案も参考にしながら,区役所の自主性の発揮に配慮した予算措置のあり方について検討したいと考えております。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      財政局長。 ◎岡田輝彦 財政局長     入札に関連する一連の御質問にお答えいたします。  まず最初に,地域経済の活性化を図るためには,物品購入や建設工事等の発注に当たって,競争性を確保しながらも,地元業者の受注機会を確保することが重要であると考えております。  以下,物品購入,業務委託,建設コンサルタント業務,建設工事のそれぞれについて,地元業者への発注方法と,平成21年度,2009年度の状況について御説明します。  最初に,物品購入については,予定価格が160万円以下の物品の購入等に係る競争見積もりにおいて,参加資格を市内本店業者に限定しています。また,予定価格が160万円を超える物品の購入等に係る一般競争入札案件については,入札参加資格に,市内に本店または支店,営業所等を有することを地域要件として定めています。受注先は,入札件数,金額ベースとも,約8割が市内本店業者となっております。  次に,二つ目の業務委託に係る一般競争入札案件については,入札参加資格に,市内に本店または支店,営業所等を有することを地域要件として定めています。契約実績は,入札件数,金額ベースとも,約8割が市内本店業者となっています。  三つ目の建設コンサルタント業務についてですが,道路関係は設計金額300万円未満,下水道関係は設計金額700万円未満,建築関係は設計金額1000万円未満の業務について,入札参加者を市内本店業者に限定しています。この下水道関係の700万円については,本年7月に従来の設計金額500万円未満の金額から引き上げています。建設コンサルタント業務の契約実績については,入札件数の約7割,金額ベースで約6割を市内本店業者が受注しています。  次に,四つ目の建設工事については,原則として設計金額1億円未満の工事について,市内本店業者に限定しております。この金額の範囲については,本年7月に,例えば土木一式工事及び建築一式工事であれば,3000万円から1億円に拡大したところです。また,設計金額1000万円未満の工事の入札については,区内本店業者に限定した競争入札を実施しています。なお,平成20年度,2008年度から,災害関連工事を請け負った市内本店業者であれば,工事成績優良業者限定の工事に入札参加ができるようにいたしました。さらに,本年7月からは,直営施工が可能な市内本店業者に限定した入札を新たに導入しています。  建設工事の契約実績を見てみると,入札件数の約9割,金額ベースで約5割を市内本店業者が受注しております。なお,この平成21年度は,約146億円で契約いたしました安佐南工場焼却施設建設工事が含まれていることから,この金額を除いたもので算出すると,金額ベースで約7割を市内本店業者が受注しています。  区内本店業者に限定する入札金額を引き上げるべきではないかという,議員からの御提案ですが,各区の業者数や工事件数にばらつきがあることや,市内業者全体での受注機会の確保を図ることも重要であることから,現在の入札の枠組みで引き続き行っていきたいと考えております。  以上のように,いずれの類型の発注においても,相当程度,市内本店業者が受注していることから,現時点において,地域要件をさらに見直すことは考えていませんが,今後とも,一定の地域要件を設定した上で,競争性を確保しながら,引き続き地元業者への受注機会の確保に努めてまいります。  続きまして,平成21年度の低入札案件の状況について,建設工事,業務委託,建設コンサルタント業務の順に説明させていただきます。  建設工事については,入札件数1,244件のうち,約50%の616件が低入札案件でした。設計金額1000万円未満の工事について見ると,入札件数631件のうち,約31%の193件が低入札案件でした。設計金額1000万円以上1億円未満の工事では,入札件数530件のうち,約68%の359件が低入札案件でした。設計金額1億円以上の工事では,入札件数83件のうち,約77%の64件が低入札案件でした。  二つ目の業務委託についてです。  入札件数365件のうち,約18%の67件が低入札案件でした。予定価格1000万円未満の業務について見ると,入札件数170件のうち,約16%の27件が低入札案件でした。予定価格1000万円以上3000万円未満の業務では,入札件数107件のうち,約21%の22件が低入札案件でした。予定価格3000万円以上の業務では,入札件数88件のうち,約21%の18件が低入札案件でした。  三つ目の建設コンサルタント業務についてです。  入札件数484件のうち,約62%の300件が低入札案件でした。設計金額1000万円未満の業務について見ると,入札件数364件のうち,約63%の228件が低入札案件でした。設計金額1000万円以上3000万円未満の業務では,入札件数111件のうち,約58%の64件が低入札案件でした。設計金額3000万円以上の業務では,入札件数9件のうち,約89%の8件が低入札案件でした。  続きまして,低入札価格調査結果を行った結果,契約に至らなかったもののうち,入札額が本市設計金額の一定割合を満たしているかどうかを確認する数値的判断基準ではなく,本市が示した数量や仕様を満たしているかどうかなどを確認する,いわゆる基本的判断基準により契約に至らなかった件数についてお答えいたします。  建設工事については,合計7件で,内訳は,設計金額1000万円未満の工事で2件,設計金額1000万円以上1億円未満の工事で4件,設計金額1億円以上の工事で1件でした。  次に,業務委託では,合計2件で,内訳は,予定価格1000万円以上3000万円未満の業務で1件,予定価格3000万円以上の業務で1件でした。  建設コンサルタント業務では,該当はありませんでした。  続きまして,財政局における低入札価格調査の実態把握についてでございます。  本市では,建設工事の場合,平成8年度,1996年度に低入札価格調査制度を導入し,平成16年度,2004年度から基本的判断基準を,翌平成17年度,2005年度から数値的判断基準を導入し,低入札価格調査を強化いたしました。平成21年度,2009年度から,下請業者へのしわ寄せを防止するため,下請業者から直接,下請契約結果調書の提出を受けることとし,元請業者との契約状況等を確認しています。本年7月からは,工事の施工段階や完成時の下請代金の支払い状況,労働者への賃金の支払い状況を確認しています。  このように,低入札価格調査を強化する一方で,工事担当課において適正な調査が実施できるよう,低入札価格調査マニュアル等を作成し,毎年,定期的に実施している説明会において周知するとともに,個別案件ごとに工事担当課を指導しています。  建設コンサルタント業務においては,平成17年度,2005年度から低入札価格調査制度を導入し,現在は,建設工事と同様の調査をするとともに,適正な調査が実施できるよう,業務担当課を指導しています。  続きまして,建設工事における低入札価格調査の財政局契約部における実態把握についてです。  最低入札価格提示者から提出された低入札価格調査報告書の精査や事情聴取は,まず工事担当課が実施し,改めて工事契約課及び技術管理課において精査し,確認します。また,工事完了時の報告書については,工事担当課が施工結果を確認し,その概要の送付を受けた工事契約課及び技術管理課において,改めて計画どおり履行されたかどうか確認しています。なお,区役所が発注した工事については,区政振興課が工事契約課の役割を担います。  建設コンサルタント業務についても,建設工事と同様に実態を把握しています。  このように,財政局契約部においては,工事担当課等と連携を図りながら,低入札価格調査制度の適切な運用に努めています。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     オリンピック招致検討についての御質問にお答えいたします。  まず,計画案等の説明についてでございます。  現在,ヒロシマ・オリンピック招致開催の実現可能性を見きわめる判断材料となります2020年ヒロシマ・オリンピック基本計画の素案の取りまとめを終えようとしている段階でございます。  この基本計画の素案の内容につきましては,近く開催されます全員協議会において,まずは市議会に対し丁寧に説明させていただきたいと考えております。  次は,今後の議会等における手順についてでございます。  まず,全員協議会におきまして,この基本計画の素案の内容について御説明するとともに,各区での説明会などを通じまして,市民の皆さんに十分説明を行い,御理解をいただいた上で,今年末までに,招致に取り組むかどうか方針決定を行う予定でございます。この招致の決定に当たっては,議会の意思決定が要るという仕組みにはなってございません。なお,東京都や福岡市の例によりますと,議会のおいて,招致決議がなされております。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      経済局長。 ◎棚多展義 経済局長     広島製産品の地産地消について,キャンペーンなどの効果はどうだったのか,また,広島製産品の使用を促す取り組みはどうかなどについてお答えいたします。  本市では,広島製産品の消費拡大を図るため,広島県,商工会議所等と連携し,BUYひろしまキャンペーンを積極的に展開しています。「BUYひろしま・地産地消イン旧市民球場」など,昨年度から今年度にかけて市内で開催された12回のイベントに参加し,広島製産品の地産地消をPRしました。これらのイベントの入場者は,総数で約19万人であり,その際実施した来場者へのアンケートでは,約9割の方から,今後,広島製産品を買ってみたい,との回答を得ています。  また,本市発注の工事における広島製産品の使用を促す取り組みとしては,本年1月以降完成する工事から,25品目の広島製産品の使用実績に応じて,工事成績点の加点を行っています。本年1月から8月末までに加点評価した実績は,工事件数741件のうち64件です。  加点評価する品目の拡大については,現在,資材の購入先等の調査を行っており,この結果を踏まえ,検討していく予定です。  今後とも,関係部局と連携しながら,より一層,広島製産品の消費拡大を図ってまいります。  次に,有効な有害鳥獣対策をこれからどのように進めていくのかということについてお答えいたします。  近年,都市化の進展や荒廃農地の増加などにより,野生鳥獣の生息環境が変化し,イノシシ,シカなど野生鳥獣による農作物等の被害が,中区,南区を除く市内全域において多数発生しています。  これに対し,本市では,電気さく等による防除と,農家及び猟友会による駆除の両面から対策を実施しています。平成21年度には,イノシシを1,107頭,シカを640頭駆除しましたが,被害は依然として減少傾向になく,農家からの被害報告も多数寄せられています。  高齢化や過疎化が進んでいる地域では防除に限界があることから,被害を減らしていくためには,駆除を強化していくことが何より重要であると認識しています。  このためには,農家と猟友会が協力して,出没情報の共有や,共同して駆除活動を行うなどの対策を進めていくことが必要です。今後,関係団体と連携を図りながら,有害鳥獣の駆除強化に取り組んでまいります。  以上です。 ○土井哲男 副議長      道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    JR可部線の輸送改善について,まず,電化延伸の検討状況と今後の見通しについてお答えいたします。  現在,JR可部線活性化連携計画に基づき,JR西日本において,駅の位置の検討や,鉄道施設の基本設計,概算事業費の算出や収支計画の検討などを行っています。  本市としては,来年度中には工事着手できるよう,引き続き,JR西日本と密接に協議・調整を行っていきたいと考えております。  次に,事業着手までの手続についてです。  JR可部線の電化延伸事業に着手するまでの主な手続は,JR西日本において,鉄道事業法に基づき,延伸区間の事業許可申請や工事施工認可申請を行い,認可を受けるとともに,広島市環境影響評価条例に基づき,環境アセスメントを実施する必要があります。  次に,サイクルトレインについてです。  自転車を走れる状態のままで鉄道車両へ持ち込めるサイクルトレインは,一部のJRや私鉄において,持ち込める列車や時間帯を設定して実施されています。  JR可部線の利用促進策としてサイクルトレインを導入することは,有効な取り組みの一つと考えられますが,導入に当たっては,一般利用客への影響,駅構内での乗車方法など,課題も考えられます。  今後,広島駅と尾道駅間で行われている実施結果等を参考に,サイクルトレインの導入の可能性について,電化延伸区間以西の廃線敷の利活用とあわせて検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      今田良治議員。 ◆12番(今田良治議員) JR可部線の電化延伸については,市長に御答弁いただき,ありがとうございました。また,細やかな地元の取り組みについても精通していただいておりまして,本当にありがとうございます。地元としても大変励みになります。引き続いて,JR西日本との協議・調整を要望させていただきます。  続いて,オリンピックの招致検討についてですけども,これについて,ちょっとやっぱり疑問があります。もう一度言わせてください。
     広島市外で議論され,応援も大変多いわけでありますけども,広島市民がなぜか置いてけぼりを食っているような感じがしてなりません。この件については,これから予定されております全員協議会で議論させていただきますが,広島市民の意思を大事にしていただけるような議論の進め方をしていただくように,これ要望しておきたいと思います。  最後に,入札制度ですね,これについて言わせてください。  何か,日本で一番安い公共事業,がうたい文句というように,広島市と,このように聞いとるわけですけども,私は,国の定めた積算基準の75%を下回ったまま,それでとてもよい仕事ができるというふうには思えんわけです。今,会社を守るために,企業は,職員の首を切ったり,手持ちの機械を売ったり,将来の見えない経営をされておるというふうに聞いておるわけです。企業の余力がないために,若い人が雇えないし,そしてその技術を継承しなきゃならない分野でも,会社に余力がないんで,若い人を雇って技術を継承する時間もその余力もないと,このように聞いております。  ということで,本当の競争というのは,価格面ではなくて,技術力も含めてやっぱり競争すべきだと思うわけでございます。これからの役所の人員体制,それから役所の管理能力ですね,こういうことを考えると,企業にも,やっぱり同じようにしっかりしてもろうて,協力し合いながら広島市と進んでいかないといけんのじゃないかなと思っておるわけでございます。  ただいまの答弁によりますと,建設工事については,設計金額の1000万円未満の工事については,少し安定してくるんかなという感じがいたしますけども,それ以上の分野については,低入札が3分の2以上になっておって,これで優良企業を存続させられるんかなという心配があるわけでございます。と同時に,大手企業が,下請にやっぱり負担を押しつけるという,そういうことも危惧しないといけないわけであります。  そこで,現在の広島市の低入札のこの状況については,一定の目的は達したと,果たしたというふうに考えていただきまして,この際,総合評価方式を検討していただきたいということを要望して,私の質問を終わります。  以上でございます。 ○土井哲男 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────              次 会 の 開 議 通 知 ─────────────────────────────────────── ○土井哲男 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              散   会   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○土井哲男 副議長      本日はこれをもって散会いたします。                  午後3時36分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   藤  田  博  之   副議長   土  井  哲  男   署名者   沖  宗  正  明   署名者   中  森  辰  一...